技術(テクノロジー)を活かし、組織の古い体質を変え、新しいことをやり遂げるにはどうすればよいか。 こう考えている方はぜひ今回の原稿を読んでいただきたい。まず原稿の主旨を説明する。 NTTの社長・会長を務め、巨大組織の改革に挑んだ真藤恒氏の経営や技術に関する考え方を学ぶ。教科書は真藤氏が残した語録、講師は真藤氏から直接指導を受けた石井孝氏(元NTT常務)である。 今なぜ真藤氏なのか。技術立国の看板を掲げてきた日本が、技術に関する舵取りをもう一度見直すべき時期に来ているからだ。 自主、自立、自律の重要性を強調 とりわけ重要なのはソフトウエアである。あらゆる製品やシステムにコンピューターとソフトが搭載される時代になった。ソフトを設計し開発する力が弱いと、ハードウエア製品の競争力を維持できない。残念ながら日本のソフト設計・開発力は強いとは言えない。 1985年、NTTの初代社長に就任した真藤氏は、