廃棄物の処理やリサイクル関連の“静脈産業”の海外展開が活発になってきている。上水、下水部門のメジャー展開は、日本は技術力がありながら欧州に後れを取ってしまった感があるが、静脈産業の海外展開は制度的な制約も多いため「今からでも十分打っていける」と鼻息が荒い。環境省は制度といったソフトを含む支援で静脈産業のメジャー化に乗り出す。静脈産業は日本の経済を牽引(けんいん)する力となり得るか−。 【写真で見る】ビッグエコーでエコ!紙パックがトイレットペーパーに ■リサイクルは人の身体? “静脈産業”とは少し耳慣れない言葉だが、産業を人の身体の血液の循環システムに例えた言い方だ。資源を加工して有用な製品、例えば車などの製造業は、栄養素を運ぶ“動脈産業”という。これに対して、これらの産業が排出した不要物や捨てられた製品を集めて、有用物質を取り出し、リサイクルする産業を、“静脈”に例える。 20世紀は