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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (16)

  • 9割の食塩からマイクロプラスチックを検出

    インドネシアのマドゥラ島では、伝統的な天日製塩で塩が作られている。新たな研究によって、この地域で生産される塩はマイクロプラスチックの含有量が特に高いことがわかった。(PHOTOGRAPH by Ulet Ifansasti, Getty Images) 数年前、海塩からマイクロプラスチックが初めて見つかった。しかし、調味料として身近な塩に、プラスチック微粒子がどのくらい含まれているかについては、分かっていなかった。新たな研究で、世界の塩の9割にマイクロプラスチックが含まれているというショッキングな結果が報告された。(参考記事:「研究室 忍び寄るマイクロプラスチック汚染の真実」) この研究は、韓国の研究者グループと環境保護団体「グリーンピース東アジア」の合同チームが、塩に関する既存研究を活用してまとめたものだ。塩に含まれるマイクロプラスチックが地理的にどう広がっているか、プラスチック汚染

    9割の食塩からマイクロプラスチックを検出
  • 第68回 捏ねて楽しいチベット族の国民食

    「タシデレ」とはチベット語で「こんにちは」や「さようなら」といった意味を持つ、挨拶の言葉だという。東京・新宿区にある東日で唯一というチベット料理店は、この挨拶の言葉を店名に掲げていた。 店内はチベットの五色の祈祷旗「タルチョ」が彩り、異国の情緒たっぷり。ヒマラヤ山脈の北側にあるチベットは中国の自治区だが、主にその地に居住する少数民族のチベット族は独特な文化を持つ。ならば、料理はどうなのだろうとやってきた。さっそく、店主のロサンさんに尋ねる。 「在日チベット人が店にきて必ずべるのはモモですね」 モモって肉を小麦粉の皮で包んだ蒸し餃子のような料理のことだろうか。それならネパールでべたことがある。口に入れるとモチモチの皮の中から肉汁がジュワーっと広がって幸せな気分になるんだよねえ。 「モモはもともとチベットの料理です。ネパールとはヒマラヤ山脈を境に隣接しているので様々な文化が行き来している

    第68回 捏ねて楽しいチベット族の国民食
  • 【動画】サボテンを食べまくるラクダ、なぜ平気?

    長いとげのサボテンをむしゃむしゃとべるラクダ。見るだに痛々しいが、なぜ平気なのだろうか。(字幕は英語です) しばしば「砂漠の船」と呼ばれるラクダ。3000年以上前から家畜化されており、100キロ近い荷物を乗せ、ウマと同じ速さで、1日何十キロも移動する。2つに割れたひづめ、とても長いまつ毛、サボテンを噛み砕く口など、体は砂漠の過酷な環境に適応している。(参考記事:「ラクダの家畜化は紀元前10世紀」) 米アリゾナ州ツーソン近郊で飼われているヒトコブラクダのベイビーとネッシーが、とげだらけのサボテンのオプンティアをべまくる動画が話題になっている。ラクダは柔軟性のある丈夫な唇をオプンティアに近づけ、左右に分かれた上唇を巧みに使って口の中へと運ぶ。(参考記事:「動物大図鑑 ヒトコブラクダ(アラビアラクダ)」) オプンティアには約15センチのとげがあり、想像できると思うが、噛み砕くのは難しい。その

    【動画】サボテンを食べまくるラクダ、なぜ平気?
  • スズメはなぜ町の中でしか子育てしないのか?

    雪原に降り立ったスズメ。すっくと立ち、前を見据える。開けた場所では、タカなどの天敵が近くにいないか、常に気を配る。写真=熊谷勝 鳥、と言われれば、ハト、カラスと並んで、やはりスズメを思い浮かべるのではないだろうか。 スズメを思い浮かべるのは、スズメが身近な鳥だからである。この「身近にいる」ということをもう少し掘り下げて考えてみたい。 日では、700種ほどの鳥が記録されている。このうち、ほとんどの鳥は、山や草原などの自然豊かな環境にいる。町の中にいるのは、スズメをはじめとした10~20種ほどである。さらに、それらのうちのほとんどは「町の中でも」見られる鳥である。 たとえば、シジュウカラの来の住処は森林だが、町の中の小さな公園にも生息している。対して、スズメは「町の中でしか」子育てをしない鳥である。なぜスズメが町なかを選択しているのかといえば、天敵であるタカやヘビが人を恐れて近づかないこと

    スズメはなぜ町の中でしか子育てしないのか?
  • 男装の少女を育てる風習 アフガン社会の矛盾 写真9点

    校門の外で、中傷したり服装をからかってくる子どもたちに言い返すセタールとアリの姉妹。「どうして男の子みたいな恰好をしているのかと聞かれることはしょっちゅうです」と、セタールは言う。(PHOTOGRAPH BY LOULOU D'AKI, NATIONAL GEOGRAPHIC) 家父長制社会のアフガニスタンでは、女性は経済的に男性に依存しなければならない。男の子が生まれない家庭は社会的不名誉を負い、親は難しい立場に立たされる。娘は家のお荷物だが、息子は金を稼ぎ、一族の遺産を継承し、家に留まって老いて行く両親の面倒を見てくれる存在だ。そこで、生まれた娘を息子として育てることにする。これが、アフガニスタンで「バチャ・ポシュ」と呼ばれる風習だ。娘をバチャ・ポシュにすると、次に男の子が生まれるという迷信すらある。(参考記事:「アフガニスタン 女たちの反逆」) 「この風習によって、息子が生まれない家

    男装の少女を育てる風習 アフガン社会の矛盾 写真9点
  • カラスは親切な少女に贈り物をするのか?

    米国シアトルに住む少女、ガブリエラ・マンは、餌をカラスにあげていたら、贈り物をもらうようになった。なかでもハート形の飾り(写真の左端中ほど)がお気に入りだ。PHOTOGRAPH BY CHARLIE HAMILTON JAMES 金色のビーズ、パールのイヤリング、ねじ、赤いレゴブロック、ニワトリの骨……。米国シアトルに住む8歳の少女ガブリエラが、カラスからもらった贈り物だ。 ガブリエラはこれらの品々をプラスチックの宝石箱に入れて大事にしている。彼女はその箱を開けると「一番のお気に入り」を二つ選び、私の手に載せてくれた。一つはパールピンクのハート形の飾り、もう一つは「BEST」という単語が彫られた四角い銀色の飾りだ。 「私のことが大好きなのよ」とガブリエラは言う。確かに意味ありげにも見える。「私がおもちゃや光るものが好きだと、カラスはちゃんと知ってるの。スパイみたいに、いつも私を見ているんだ

    カラスは親切な少女に贈り物をするのか?
  • 年間140万頭、豪のカンガルー猟は是か非か

    オーストラリアのカンガルー猟は資源の持続可能な利用法であり、個体数管理のために必要とする意見がある一方で、反対の声も強い。(PHOTOGRAPH BY SAM ABELL, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) カンガルーの革は柔らかくてしなやか、それでいて非常に丈夫なため、サッカーのスパイクとして人気が高い。アディダス、ナイキ、プーマなどの大手スポーツ用品メーカーが広く採用している。サッカー界のスーパースター、デビッド・ベッカム選手は、2002年のワールドカップでカンガルー革を使ったシューズを履いてイングランドのキャプテンを務め、翌年アディダスと1億6080万ドルの生涯契約を結んだ。 だが、そのカンガルー革のスパイクに異を唱える人々がいる。ビーガン(絶対菜主義)を推進する動物愛護団体「ビバ!」はカンガルーの商業利用に反対し、ベッカム氏を標的にしてオーストラリアの

    年間140万頭、豪のカンガルー猟は是か非か
  • 【動画】アライグマが有名な知能テストに「合格」

    アライグマは何かと厄介な存在だが、カラスのように頭はよいのだろうか。(参考記事:「動物大図鑑 アライグマ」) 科学者らが、この愛嬌のある顔をした哺乳類で、イソップ寓話にヒントを得たテストを行った。水位を上げればエサが手に入るという因果関係を、動物が見抜けるかを調べるというものだ。その成果は学術誌「Animal Cognition」の11月号に発表された。(参考記事:「【動画】カラスはずるい人を1カ月以上忘れない」) 実験の元になっているのは、「喉が渇いたカラスが水差しを見つけたが、水が少ししか入っていないためくちばしが届かない。そこで石を落として水位を上げ、水を飲むことができた」という話だ。(参考記事:「カラスの高い知能、イソップ話は実話?」) 今回の研究では、飼育下のアライグマの前に、水が入った円筒形の容器を置いた。水面に細切れのマシュマロが浮いているが、水位が低いため手(前足)は届かな

    【動画】アライグマが有名な知能テストに「合格」
  • イヌやネコはなぜ死んだ飼い主を食べるのか

    イエローのラブラドール・レトリバー。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK) 1997年、ドイツ、ベルリンの科学捜査官が、ある珍しい事件に関する論文を学術誌「Forensic Science International」に投稿した。事件の夜、31歳の男性が母親の家の裏庭にある、物置を改装した小屋にこもっていた。彼はそこで飼いイヌのジャーマン・シェパードと一緒に暮らしていた。 午後8時15分頃、小屋のほうで銃声が鳴ったのを、近隣の人々が耳にした。 45分後、その男性が拳銃で口を撃ち抜いて死んでいるところを母親と隣人たちが発見した。男性の手にはワルサーの拳銃が、テーブルの上には遺書が置かれていた。つらく悲しい出来事ではあるものの、ここまでは特別に珍しいことでもない。ほかと明らかに違っていたのは亡きがらの状態だ。彼の顔

    イヌやネコはなぜ死んだ飼い主を食べるのか
  • まるでクモ!?一生を木で暮らすカニの新種を発見

    生物多様性のホットスポット、インドの西ガーツ山脈で見つかった新種のカニ「カニ・マランジャンドゥ」。一生を木の上で過ごす珍しい習性を持つ。(PHOTOGRAPH COURTESY APPUKUTTANNAIR BIJU KUMAR) 驚くべき新種のカニが見つかった。高い木のくぼみにすみ、樹上で植物の種や這う虫を探してべるカニだ。人の手のひらにちょうど収まるほどの大きさで、木にいるとよく目立つ青黒い色をしている。 「カニ・マランジャンドゥ」と名付けられたこのカニが見つかったのは、インド南部、西ガーツ山脈の森の中だ。新種だけでなく、まったく新しい属でもあることがわかり、このカニの存在に気づいた「カニ」族という部族の名前と、木に登るカニを指す現地の言葉「マランジャンドゥ」から名付けられた。この発見は4月3日付けの甲殻類専門の学術誌「Journal of Crustacean Biology」で報

    まるでクモ!?一生を木で暮らすカニの新種を発見
  • 漁師兼写真家が撮った、冬の過酷なベーリング海での漁業10点

    漁船アークティック・レディ号から撮影した嵐の中のベーリング海。カニ漁のカゴを海底から引き上げている。(PHOTOGRAPH BY COREY ARNOLD) 誰もいない世界、精緻なミニチュア廃墟7点 お尻に顔が!世界唯一の草ザルが誕生するレアな瞬間 8点 太平洋の北、アリューシャン列島の北に広がるベーリング海は、地球上でもっとも過酷な海域のひとつだ。強風と極寒、そして氷のように冷たい水、それが日常だ。この3つが一緒になって世にも猛烈な波が押し寄せ、普通の日でも10メートル近い高さの波に揺られる。 なぜ、人はそんなところへやって来るのか。有り余るほどの海の幸にありつけるからだ。ここは、サケやカニといった海産物が豊富な、世界有数の漁場となっている。(参考記事:「ピンクサーモンの激増、生態系に影響」、「アラスカの鉱山、最大サケ漁場を汚染?」) コーリー・アーノルド氏は、夏はサケ漁師として過ごし

    漁師兼写真家が撮った、冬の過酷なベーリング海での漁業10点
  • 第4回「方言」と「言語」の違いとは

    木部さんは、「消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究」という共同研究のプロジェクト・リーダーだ。 この研究を国立国語研究所が各研究機関と連携して行う背景には、やはり、2009年のユネスコ発表の影響がある。なにはともあれ国連機関が国際的スタンダードとして示した危機言語の中に、日国内で話されているものがいくつも含まれていたのだから。 目下のところ年に1~2カ所のペースでフィールドワークをして、危機言語の記録を作っているのだそうだが、そこに行く前に「方言か独立言語か」という問題に軽く触れておこう。 ユネスコの危機言語の発表が報道されたとき、多くの人が「八丈語や奄美語」って方言じゃないの? と感じたようで、木部さんもよく質問されたという。この素朴な疑問の背景には、純粋に言語学的というより、歴史、社会、文化政治などが複雑に絡まった複合的な事情が横たわっている。 木部さんによると──

  • エイリアンのようなクモ発見、枯れ葉に擬態

    中国南西部の熱帯雨林で見つかった成体のメスのクモ。木の葉に擬態するクモが発見されたのは初めてだという。(PHOTOGRAPH BY MATJAZ KUNTNER) ある夜、クモ学者のマティヤジュ・クントネル氏が登山用ヘッドライトをつけて中国雲南省の熱帯雨林を歩いていると、1のクモの糸が照らし出された。 それ自体は驚くようなことではない。しかし、木の枝から伸びた糸の先にぶら下がった葉っぱが彼の注意をひいた。近寄ってよく見てみると、彼が木の葉だと思ったものの1つが実際にはクモであることが分かった。(参考記事:「【動画】「ニセのクモ」で鳥をだましてべるヘビ」) 「クモの巣があるところにはクモがいるのは当たり前です」と、米国のスミソニアン研究所とスロベニアの進化動物学研究所に所属するクントネル氏は言う。 クモ学の専門誌「Journal of Arachnology」で、氏はこの発見を報告した。

    エイリアンのようなクモ発見、枯れ葉に擬態
  • なぜブルキニは禁止でビキニは良いのか

    米国ハワイ州ホノルルのワイキキビーチで、女性たちがサーフボードの前に立っている。1938年の『ナショナル ジオグラフィック』誌に掲載された写真。日に焼けた脚をあらわにしている姿がとても現代的だ。この数十年前には、女性たちはビーチでもストッキングをはいていたと思われる。(PHOTOGRAPH BY RICHARD HEWITT STEWART, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) ビーチに繰り出したいフランスのイスラム教徒の女性たちには、つらい夏だったことだろう。 全身を覆うイスラム教徒の女性用の水着ブルキニの着用を禁止する条例に対し、フランスの最高裁にあたる国務院が違憲とする裁定を下したにもかかわらず、複数の自治体が依然として罰金を科している。 一部で指摘されているように、ブルキニはフード付きのウェットスーツと大差ない。つまり、ブルキニをめぐる見解の相違は、ブルキニ

    なぜブルキニは禁止でビキニは良いのか
  • 10年で世界の魚の数を回復できる、研究報告

    このオナガザメのように、来漁獲対象でない魚が網にかかってしまうことは、世界中の漁業者にとって頭の痛い問題となっている。(Photograph by Brian Skerry, National Geographic Creative) 長らく減り続けている世界の魚の生息数が、わずか10年で回復でき、同時に漁業者の収入も増えるとする論文が、学術誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に発表された。(参考記事:「クロマグロ 乱獲の果てに」) 方策は、漁獲の権利を割り当てる制度をより多くの国々で導入すること。すでに米国や中米ベリーズなどいくつかの国で効果を上げているやり方だ。「私は長い間、漁業問題に携わってきましたが、これほど画期的な結果が出るとは思ってもみませんでした」と、論文の共著者で環境保護団体「エンバイロンメンタル・ディフェンス・ファンド」に所属する漁業科学者のアマンダ・リーランド氏は

    10年で世界の魚の数を回復できる、研究報告
  • 第40回 帰ってきた断眠療法―眠らずにうつ病を治す

    先回、不眠やリズム障害などの睡眠問題がうつ病の発症や再発のリスクを高め、治療の足を引っ張るという話を紹介した。ナショジオのfacebookページでも、「自分もうつ病の不眠で苦労している」「うつ病を治すためには眠ることも大事なのですね」など多くの嬉しいコメントをいただいた。 そして(それにもかかわらず?)今回のテーマは、患者さんを眠らせないことでうつ病を治療する、人呼んで「断眠療法」である。このどんでん返しは何なんだ! と呆れている読者もおられるかもしれないが、歴史も実績もある有名な治療法なのでうつ病と睡眠つながりで是非ご紹介したいと思う。

    第40回 帰ってきた断眠療法―眠らずにうつ病を治す
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