津軽鉄道は、青森県にあるJR五能線五所川原駅の脇の津軽五所川原駅から出発し、金木駅を経て、終点・津軽中里までの20.7kmをむすぶ非電化の単線鉄道である。青森出身の文豪、太宰治の故郷に近いため、例年は数多くの観光客が利用してきた。しかし新型コロナの影響で観光客が激減し、夏休みを迎えても客足の回復は見込めないため、津軽鉄道は大きな危機を迎えている。 観光名所は「太宰治の実家」 津軽鉄道の観光の目玉は、何と言っても太宰治にまつわる名所である。金木駅の近くには、太宰治が生まれ育った建物が、斜陽館という観光施設として残されている。もともと太宰の実家、津島家の邸宅であるが、太宰が生まれ育った時には、表通りに面して銀行の窓口があった。現在は、隣に青森銀行の看板が出ており、金木の中心地であった当時の面影を残す。 金木は、青森ヒバの集積地で、津軽半島の先端近くまで森林鉄道が線路を伸ばしていた。その1本が津