話題秩父鉄道は、10月1日から鉄道貨物運賃を10%引き上げる。同社が貨物運賃の値上げに踏み切るのは1985年以来33年ぶり。 同社は石灰石輸送を中心に鉄道貨物輸送を手がけてきたが、輸送量は長らく減少傾向を辿り、最近は200万トンを切る水準となっている。ピーク時(1979年)の874万トンから比べると5分の1近くまで減少していることとなり、8月10日に公表した4-6月期の決算短信では前年同期比で輸送量が8.7%減、金額ベースでも8.4%減と、減少傾向に歯止めがかからない。 とはいえ、鉄道貨物は前3月期実績で鉄道事業収入の4割近くを占める収益源であることに変わりはなく、同社は値上げによって「質の高い労働力の安定的な確保などの必要な対応」を行う。 今回の値上げ対象となるのは、発着駅間の運賃計算キロ程に応じた賃率に、輸送する貨物の重量に基づく運賃計算トン数を乗じた「基本運賃」で、荷主が実際に支払う