さいたまスーパーアリーナ(さいたま市)で音響の調整に励むヤマハの音響技術者、重田克美さん (坂本ようこ撮影) 荒川静香(37)の「トゥーランドット」、羽生結弦(24)の「SEIMEI」…。フィギュアスケートの使用楽曲は試合の雰囲気を盛り上げるために欠かせない。国内の主要大会で、その音響を陰で支えるのが、ヤマハミュージックエンタテインメントの音響技術者、重田克美(かつみ)さん(53)だ。3月20~24日には世界最高峰の大会「世界フィギュアスケート選手権」に挑む。(竹中文) ◇ ◆最優先は選手 「選手たちが全身全霊をかけて取り組む演技を支える仕事。失敗は許されません」。こう話す重田さんはフィギュアスケートの音響に関わって、今年で10年だ。大会の会場で機材を設置し、選手側から受け取った音源を競技の進行に合わせて流す。最優先に考えるのは選手への聞こえやすさだ。 「選手がリンクのどこにいても聞きやす