6月8日に実施された英国の総選挙の結果には世界が驚いた。2020年まで任期が3年も残っていたにもかかわらず、「EU離脱交渉を成功させるために、議会で圧倒的な議席を確保したい」と、4月に突然、解散総選挙に打って出たメイ首相。 当初、野党・労働党に16%以上の差をつけており、既に手にしていた過半数の議席を100議席は上積みし、英国史上2人目の女性首相として燦然と輝くはずだった。 ところが、ふたを開けてみると、330議席あった保守党の議席は318に減り、過半数を割ってしまった。今後の議会運営は「ハング・パーラメント(宙づり議会)」と揶揄されるように、野党労働党の躍進で、何も決められない状況に陥りかねない。 これでは間もなく始まるEU離脱交渉は思うように進まないだろう。選挙結果を受け、英国の通貨ポンドも下落。ホワイトハウスで仲良く手をつないでいたトランプ大統領も「驚いた!」の後、言葉が続かなかった