「男らしさ、女らしさって何だろう」「セクハラはなぜ起きるのか」「対等な恋愛とは」――。こうしたテーマを週1時間、1年かけて学ぶ高校がある。「ジェンダー」(社会的・文化的な性差)という概念に出会い、自分自身や身の回りにある思い込みに気づく生徒たち。今年度も1年生を対象に始まった授業を訪ねた。 「ある夫婦から、こんな相談が寄せられました。どうアドバイスする? グループで話し合ってみて」。今月10日、東京都港区の私立正則高校。1年生の「総合」の授業で、日沼慎吉校長が生徒らに呼びかけた。 「相談」は次のような内容だ。「私は保育士。パートナーはトラック運転手の仕事が忙しく、一緒にしていこうと決めたはずの家事育児はほぼ私がしている。別れようか悩んでいる」 「もっと夫婦で話し合いを」「他の人の手も借りたら?」。生徒たちが、話し合った「アドバイス」を発表し、共働き家庭で夫婦がどう協力しあえばいいかをひとし