ギリシャのエビア島にある地ビール醸造所で、ビールをグラスにつぐ醸造家のソフォクレス・パナギオトウ氏(2019年2月28日撮影)。(c) ARIS MESSINIS / AFP 【5月19日 AFP】ギリシャの地ビール醸造家、ソフォクレス・パナギオトウ(Sophocles Panagiotou)氏は、たる越しに大事そうにくみ上げたエールビールをシリンダーへ注ぎ、慣れた手つきでグラスへ移した。「セプテム・レッドエール(Septem Red Ale)」は、彼のオリジナルの銘柄だ。 大学で化学を専攻し、ワイン生産者となっていたパナギオトウ氏は、ギリシャ財政危機が始まった10年前、首都アテネから約200キロ離れたエビア(Evia)島にある家族の土地に地ビール醸造所を造る機会に恵まれた。「とんでもない考えだった。当時みんなからは、宇宙人を見るような目で見られた」。オートメーション化された工場で、同氏は