タグ

ブックマーク / econ101.jp (110)

  • アンドルー・ポター「ウクライナのロシア国内への越境侵攻は『プーチンのメンツ潰し』や『停戦交渉のための戦果獲得』などではない。負けつつあるウクライナからの欧米諸国への警鐘だ」(2024年8月19日)

    ウクライナのクルスク侵攻の真意とは? ウクライナ地上部隊が国境を超えてロシアに奇襲侵攻してから2週間が経過した。その間に、ウクライナロシア領を1,000平方キロメートル奪った。ウクライナ軍は、ロシア兵を数千人殺害し、数百人以上を捕虜とし、装備を大量に破壊し、週末にはセイム川にかかる橋を2破壊し、さらに別の橋を破損させ、ロシア軍を孤立させ、補給と増援を遮断した。 しかし、これだけ成功を収めているにもかかわらず、ウクライナがこの侵攻で何を達成しようとしているのかについては、誰も(アメリカもイギリスもドイツも、そしてむろんロシアも)あまり理解できていないようだ。 この戦争で、ロシア領土が敵対勢力に占領されたのは今回が初めてではないことは注目に値する。2023年5月には、ロシア、ポーランド、ベラルーシの小規模武装組織からなるウクライナを拠点とする反抗武装組織が、国境を超えてベルゴロド州で妨害的

    アンドルー・ポター「ウクライナのロシア国内への越境侵攻は『プーチンのメンツ潰し』や『停戦交渉のための戦果獲得』などではない。負けつつあるウクライナからの欧米諸国への警鐘だ」(2024年8月19日)
    emiladamas
    emiladamas 2024/08/23
    モスクワから遠い国境沿いの通常戦力で十分奪還可能な土地のためにそんなリスクのある行動はしないだろ "ロシアみたいな核保有国が自国の領土を脅かされたときに撃たないなら"
  • ノア・スミス「移民流入の害は,いっこうに実証に現れない」(2024年5月10日)

    移民受け入れを支持する人間として,ぼくは懐疑的な人や批判的な人に耳を貸すようにつとめてる.どんな国にも,自らがのぞむならどんな人間でも招き入れる権利がある――あるいは,入国を拒否する権利がある.移民の流入で自分たちの文化が変わってしまうのを人々が心配しているなら,それは完璧に許容されるべき態度だ. ただ,それと同時に,移民流入制限派の人たちは移民受け入れにともなう経済的な害悪をあれこれとたくさん主張している――賃金低下,政府財政への負担,などなど.それでいて,そういう主張はずっと証拠と矛盾しつづけている. たとえば,多くの証拠から,移民流入は――低技能移民の流入ですら――現地生まれの人たちの賃金や雇用の見通しに悪影響を及ぼしていないことが明らかになっている〔日語版記事〕.最近出た Michael Clemens & Ethan Lewis の論文を見てみると,この研究はとても「きれい」な

    ノア・スミス「移民流入の害は,いっこうに実証に現れない」(2024年5月10日)
    emiladamas
    emiladamas 2024/05/12
    これだけ移民反対論者が集まっても経済や賃金への悪影響の実証例は提示されていないのだな
  • ノア・スミス「移民がやってきても賃金が下がらない理由」(2020年12月30日)

    [Noah Smith, “Why immigration doesn’t reduce wages,” Noahpinion, December 30, 2020] 証拠に耳をかしてもらえるわけじゃないけれど… この記事では,移民がやってきても,その国で生まれ育った人たちの賃金が下がらない理由を解説する(ただし,一握りの特別な状況ではもしかすると少しばかり下がるかもしれない).ただ,その話に入る前に,ぜひ理解してほしいことがある:誰も,この記事で意見を変えないだろうってことだ.それには2つ,理由がある. 第一に,人々は社会科学の証拠をほんきで信じていない.頑健な研究結果のほぼすべてが同じ方向を示していても,最低賃金の効果について大学の経済学者たちの意見が実証研究によって変わるまで,何年も,何年もかかった.大学の経済学者ではないふつうの人となると,信頼できる社会科学がどういうものなのかって

    ノア・スミス「移民がやってきても賃金が下がらない理由」(2020年12月30日)
  • ジョセフ・ヒース「なぜカナダの大学教授は学生を恐れないのか:アメリカの大学がポリティカル・コレクトネスに席巻された理由」(2015年6月8日)

    ジョセフ・ヒース「なぜカナダの大学教授は学生を恐れないのか:アメリカの大学がポリティカル・コレクトネスに席巻された理由」(2015年6月8日) カナダのジャーナリストが陥りがちな怠惰な習慣の一つが、カナダとアメリカが同じ国であるかのように語ってしまうことだ。アメリカで何が悪いことが起こっていると、カナダでも同じことが起こっていると彼らは思い込んでしまうことからも明らかで、この思い込み故に彼らは実際の取材に赴かない。 大学が最近「ポリティカル・コレクトネス」に席巻されているのを懸念する件でもこれを観察することができる。アメリカで、大学教授達がトラウマを負っている話が多く報じられ、なぜ学生を怖がるようになってしまったのかが解説されている。また、アドミニストレーター〔アメリカの大学の学生課の職員〕は、デリケートさを募らせている学生を不快にするのを恐れるあまり、学生に隷属してしまっていたり、傍観を

    ジョセフ・ヒース「なぜカナダの大学教授は学生を恐れないのか:アメリカの大学がポリティカル・コレクトネスに席巻された理由」(2015年6月8日)
  • アダム・トゥーズ「西側諸国によるウクライナへの戦車供与はどこまで効果があるのだろう?」(2023年1月29日)

    私のポッドキャストOnes and Toozeの今週の回で、キャメロンと一緒にウクライナへの戦車供与の問題を取り上げさせてもらった。 https://podcasts.apple.com/us/podcast/are-tanks-really-a-game-changer-in-ukraine/id1584397047?i=1000596895527 正直に言わせてもらうと、ポッドキャストでこの話題を取り上げるのを当に心待ちにしていた。 私は子供の頃からずっと戦車に夢中だ。6歳前後には、誕生日の7月5日が、史上最大の戦車戦が行われた1943年7月のクルスクの戦いの記念日だったことに心躍った。クルスクの戦いが、フランスや北アフリカで行われておらず、ソ連内で行われたことを知って驚き、印刷用の巨大な折り目が付いた用紙(今だと方眼模様を印刷した用紙)に、交戦したドイツとソ連の戦車を一台残らず書き

    アダム・トゥーズ「西側諸国によるウクライナへの戦車供与はどこまで効果があるのだろう?」(2023年1月29日)
    emiladamas
    emiladamas 2023/02/02
    ウクライナ軍戦車が長距離砲撃でロシア軍の戦車を撃破した話をツイッターで見た覚えはあるが見つけられない
  • 「あらゆる社会問題は『住宅問題』に起因する」(2021年9月14日)

    欧米諸国における住宅不足は、多くの人が自分の家を持つことを妨げるだけでなく、格差、気候変動、生産性の低下、肥満、さらには出生率の低下さえも引き起こしている。 欧米諸国が現在直面する問題として、コロナ禍だけでなく、低成長、気候変動、健康被害、金融不安、少子化などが挙げられる。これら長期的なトレンドは、我々が社会に対して感じる諦めにも似た倦怠感の一因となっている。これらの問題は一見関連性が薄いように見えるが、全てを悪化させるある一つの大きな要因がある。それは「住宅不足」だ。つまり、人々の住みたい土地に建設される住宅が少なすぎるのだ。そして住宅不足の解消は、我々が直面する一見すると無関係な様々な問題の解決につながる。 住宅の高額化による “目に見える” 影響 職場、休日の過ごし方、友人や隣人、どのタイミングで何人の子供を持てるか、そして病気になるリスクまで、住む場所というのは人生のほぼ全てに影響

    「あらゆる社会問題は『住宅問題』に起因する」(2021年9月14日)
  • ノア・スミス「権威主義体制の統治はべつに有能じゃないよ」(2022年10月6日)

    [Noah Smith, “Authoritarians are not governing effectively,” Noahpinion, October 6, 2022] 軍が人々の顔を踏み潰す一方で,列車は定刻通りに走っていない 先週は,こんな話をした――自由民主主義を支持する人たちは,自分たちが創り出したいとのぞんでる未来像がどんなものなのか,具体的に世の中に提示する必要がある.ただ,この未来像はまだ浮かび上がってきてないけれど,あちこちの権威主義国家のおかげで,自由民主主義を支持するすてきな論拠が出てきてる.単純に,権威主義国家がびっくりするほど無能をさらしてくれたおかげなんだけどね. 権威主義統治の売りといえば,きまってこれだ.「独裁者・寡頭制支配者・ 絶対的指導者は有能で決然と行動する――民主主義国家がちんたらしてる間に,権威主義国家は行動する.」 こんなフレーズを聞い

    ノア・スミス「権威主義体制の統治はべつに有能じゃないよ」(2022年10月6日)
  • ブランコ・ミラノヴィッチ「インタビュー:ロシア経済、『資本主義だけ残った』、フランシス・フクヤマ、などについて」(2022年7月20日)

    そこ〔東欧における革命〕には明らかに民主化以上の要素が存在しており、それこそが民族自決だったのです。〔…〕民主主義は、〔民族主義的な革命に〕偶発的に付随したものだったのです。 On import substitution, Fukuyama, eternal growth and more July 30, 2022 Posted by Branko Milanovic エントリは、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所のジェームズ・ペソコーキスとの対談記事である。 1 ロシアは、広大な天然資源、十分な教育を受けた国民、そして深い科学的基盤を有する国ですが、一人当たりで見るとその豊かさは世界で67番目にあたります。これは一体何故なのでしょうか。 ロシアは、私が「循環型経済史」と呼んでいる問題を抱えています。国家が豊かになるためには、混乱ではなく国内外の平和が必要になります。アダム・ス

  • ノア・スミス「スリランカで経済危機が起きてる理由」(2022年7月12日)

    [Noah Smith, “Why Sri Lanka is having an economic crisis,” Noahpinion, July 12, 2022] 教科書的な通貨危機をもたらしたのは,いくつもの政策の失敗 どうもアメリカ人っていうのは,危機が起きてると認識するのが遅い.どこかの外国で怒りに燃えて抗議してる群衆が政府の建物を取り囲んでる様子をある日いきなり動画で目にしても,まだ危機だってわかんないこともよくある.7月9日のスリランカにアメリカ人が見たものは,まさにそれだった. NOW – Protesters storm the presidential palace in Sri Lanka's capital.pic.twitter.com/Wv6oQ10kBQ — Disclose.tv (@disclosetv) July 9, 2022 ここでは,この政治

    ノア・スミス「スリランカで経済危機が起きてる理由」(2022年7月12日)
    emiladamas
    emiladamas 2022/07/28
    スリランカは有機農業をやろうとしたせいで破綻したと思っている人はいそう
  • ノア・スミス「安倍晋三のもとで大きく変わった日本」(2022年6月4日)

    [Noah Smith, “The Japan that Abe Shinzo made,” Noahpinion, June 4, 2022] この半世紀で最重要の首相がもたらした3つの大きな変化 今回で,日に関するシリーズは5目になる.これが最後だ.第1回目(翻訳)では,日の生活水準が低めなことを嘆いて,現金ベースの福祉政策を提案した.第2回目(翻訳)では,日が経済成長を加速させるのに使えそうな産業政策をいくつか提案した.第3回目では,日の停滞した企業文化とその直し方を論じた.第4回目では,日のポップカルチャーに関する2冊の書評を書いて,日が経済面で衰退しつつもそのポップカルチャーが世界を制覇したあらましについて述べた. この20年というもの,定期的に日を訪れている.でも,今回の日旅行ではとくに強い印象を受けた.2002年にはじめて日に来たときから,この国の感触

    ノア・スミス「安倍晋三のもとで大きく変わった日本」(2022年6月4日)
    emiladamas
    emiladamas 2022/06/10
    軍事力が復活したというほど能力に変化があったかというと微妙な、街角でウクライナ支援が目立つからというのも根拠としてちょっと…
  • ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)

    [Noah Smith, “Japan’s living standards are too low,” Noahpinion, May 24, 2022] 働きづめでも報われない国 日からこんにちはこんにちは! 2週間の旅行でこっちにきてて,せっかくだから日について何か記事を書こうと思う.まずは,経済の話からはじめよう. たいていの人たちが日について最初に気づくのは,各地の都市がいかにすばらしいかってことだ.とりわけ東京は,現代の驚異だ.キレイに刈り込まれた木々に取り囲まれて,設計のしっかりしたぴかぴかのビル群がそびえたっている.レストランやお店や各種の娯楽は目眩がするほど数知れず,どれもこれもすばらしい.どこも混み合ってるけれど,それでいていつもなぜか静謐を感じさせる.そして,ほんの数分歩けば電車の駅にたどり着いて,そこからどこでも必要な場所に向かえる.他のどんな国もおよばない

    ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)
    emiladamas
    emiladamas 2022/05/24
    この前は国ガチャで日本は超絶優良国と言われていたのに
  • ブランコ・ミラノヴィッチ「ロシア経済の展望:長期の問題」(2022年3月11日)

    [Branko Milanovic, “Long term: Difficulties of import substitution and delocalization,” Global Inequality and More 3.0, March 11, 2022] 〔※短期についての記事はこちら〕 輸入代替と国内生産への移行という困難 ロシア経済の長期展望を考えるときには,いくつかの想定から手をつけつつ,歴史上の事例にも目を向けると役に立つ.2つの仮定が立てられる.第一に,現在のロシアの体制は,なんらかのかたちで今後10年,20年存続するかもしれない. 第二に,アメリカと西洋諸国による制裁は,ここで考える50年の期間のあいだずっと継続されると仮定できる.この仮定を支える論証は,次のとおり.アメリカによる制裁は,ひとたび実施されると解除するのはきわめて難しい.今日,すでにロシアに対して

    ブランコ・ミラノヴィッチ「ロシア経済の展望:長期の問題」(2022年3月11日)
  • ヴィンセント・ゲローソ「ヴェルナー・トレスケン著『自由の国と感染症』についての考察:『公衆衛生の提供』と『経済成長・自由』にトレードオフは存在するのだろうか?」(2020年4月18日)

    W. Kerr et al. 2017. 『経済不況、アルコール、自殺率:貧困、担保差し押さえ、失業の比較影響(Economic recession, alcohol, and suicide rates: comparative effects of poverty, foreclosure, and job loss)』 American Journal of Preventive Medicine, Vol. 54, n. 4, pp. 469-475. [ii] A, Mesnard and P. Seabright. 2009.『隔離によって疫病は回避できるか?:感染リスクが不完全な情報の下での検疫措置(Escaping epidemics through migration? Quarantine measures under incomplete information ab

    ヴィンセント・ゲローソ「ヴェルナー・トレスケン著『自由の国と感染症』についての考察:『公衆衛生の提供』と『経済成長・自由』にトレードオフは存在するのだろうか?」(2020年4月18日)
    emiladamas
    emiladamas 2021/12/15
    "経済的自由によって、天然痘の死亡率は上昇し、腸チフスの死亡率は低下することが統計的に示唆される"
  • ブランコ・ミラノヴィッチ「民主主義サミットは(世界に)害悪を与えるアイデアである」(2021年12月7日)

    The Summit of Democracies is a wrong idea (for the world) Tuesday, December 7, 2021 Posted by Branko Milanovic 12月9~10日に開催される「民主主義サミット」は、100カ国以上から大統領、首相、国王の出席が予定されている。このサミットは、民主主義の原則が国政に適用されている(あるいは表向き適用されている)ことが参加条件となっている歴史上初の国際会議だ。 このサミットに関しては、3つの見解が寄せられている。ナイーブな見解では、集まった国々が自国内での民主主義の原則の適用を改善するため互いに学び合うことに関心をもって皆で集まる会合である、というものだ。(もっとも、そういった場は他にもたくさんあり、新たに創設する必要はなかったのだが…)。もっとリアリスティックな見解では、国連人権保障と

    ブランコ・ミラノヴィッチ「民主主義サミットは(世界に)害悪を与えるアイデアである」(2021年12月7日)
    emiladamas
    emiladamas 2021/12/11
    みんな大好き、正義と悪の対立
  • ジェラール・ロラン「社会主義と体制移行の経済学:コルナイ・ヤーノシュの生涯と研究,1928 – 2021」(2021年10月23日)

    ジェラール・ロラン「社会主義と体制移行の経済学:コルナイ・ヤーノシュの生涯と研究,1928 – 2021」(2021年10月23日) [Gérard Roland, “Economics of socialism and transition: The life and work of János Kornai, 1928-2021,” VoxEU, October 23, 2021] ハンガリーの偉大な経済学者コルナイ・ヤーノシュが,2021年10月に死去した.不足の分析,社会主義経済,市場経済への体制移行の経済学分析を開拓した研究者だった.コラムでは,コルナイが20世紀屈指の重要な知識人となった概略を述べる. 著者情報: ジェラール・ロラン (Gérard Roland) は,カリフォルニア大学バークレー校の経済学政治学教授. 著名なハンガリーの経済学者コルナイ・ヤーノシュが亡くな

    ジェラール・ロラン「社会主義と体制移行の経済学:コルナイ・ヤーノシュの生涯と研究,1928 – 2021」(2021年10月23日)
  • テイヴス&ヴェジーナ「人民の敵による長期的発展」(2021年9月23日)

    Gerhard Toews, Pierre-Louis Vézina “Enemies of the people” VOXEU, September 23, 2021 「人民の敵」とは、教育を受けたエリートであるというだけの理由でソビエト体制の脅威になるとみなされた数百万人の芸術家、エンジニア、管理職、教授たちだった。数百万人の非政治犯とともに、彼らはグラーグ、すなわちソヴィエト全土にわたる労働収容所制度へと強制的に移住させられた。稿では、この暗い移住エピソードによる長期的な影響を検討する。これにより、人民の敵が収容者中に占める割合が高かった収容所ほど、今日においてその周辺地域が繁栄していることを企業の賃金水準や利潤、人口当たりの夜間光量から捕捉した。 これら人民の敵、社会主義の敵、労働者の敵に容赦するな!これは金持ちとその取り巻きに対する死への戦い、悪党、怠け者、無法者に対する戦いで

    テイヴス&ヴェジーナ「人民の敵による長期的発展」(2021年9月23日)
    emiladamas
    emiladamas 2021/10/15
    "人民の敵の孫たちは今日において大学教育を受けている確率がそれ以外の人よりも高く、彼らの親もそれは同様であった"
  • ノア・スミス「みんなが待ち望んでいた授賞:カード、アングリスト、インベンスのおかげで経済学はより科学的になった」(2021年10月12日)

    Noah Smith ”The Econ Nobel we were all waiting for -Card, Angrist, and Imbens have made econ a more scientific field.-“, Noahpinion, October 12, 2021 新しい考えは全てを疑いに持ち込み、 火の元素は完全に消失し、 太陽も大地も失われ、誰の知恵をもっても どこを探すべきかは教えてくれない ジョン・ダン 2021年のノーベル経済学賞は、その実証経済学における業績によってデビッド・カード、ジョシュア・アングリスト、グイド・インベンスが受賞した。誰がノーベル経済学賞を受賞するかを予測するのにはとっても簡単なやり方がある。その分野においてまだ受賞してない最も影響力のある人たちを並べて、ミクロ理論家が2年連続で受賞することはないと仮定するんだ。最も影響力の

    ノア・スミス「みんなが待ち望んでいた授賞:カード、アングリスト、インベンスのおかげで経済学はより科学的になった」(2021年10月12日)
  • サイモン・レン=ルイス「最低賃金、買い手独占、田舎街」

    [Simon Wren-Lewis, “Minimum Wages, Monopsony and Towns,” Mainly Macro, January 4, 2018] アラン・マニングが、『フォーリンアフェアーズ』誌に最低賃金に関するじつにいい論考を書いている。最低賃金が雇用におよぼす影響は経済学でも政治的な負荷のかかった問題で、その点でたいていのマクロねたに似ている。最低賃金の場合、戦場となっている舞台は実証だ。人々が主流経済学について「どうしようもないほどネオリベラルだ」と非難する時、よくこの最低賃金論争を思い浮かべる:マニングがいう経済学101(学部1年生むけの講義)〔が教える最低賃金のはたらき〕とデータがい違っているのを示したのは主流経済学者たちだった(デイヴィッド・カードとアラン・クルーガー)。それに、いまもこうした結果を見つけ続けているのも主流経済学者たちだ。 カード

    サイモン・レン=ルイス「最低賃金、買い手独占、田舎街」
  • アレックス・タバロック「ヒスパニック系と白人の犯罪率が同水準になりつつある」(2021年8月29日)

    [Alex Tabarrok, “Hispanic and White Criminality are Converging,” Marginal Revolution, August 29, 2021] ヒスパニック系と白人の犯罪統計がどんな風に収束してきてるかについて,キース・ハンフリーズ〔心理学者〕が秀逸な Slow Boring でいい記事を書いてる. 収監に関する政府の新しい報告書はおおよそ退屈だけれど,ひとつだけ目を見張る事実が記載されてる:ヒスパニック系は,いま白人に比べてわずかながら収監される確率が低い.刑事司法においてヒスパニック系と非ヒスパニック系白人に見られる各種の落差が狭まってきているのをうかがわせる兆しは複数あるが,いまなお正当に評価されていない.収監される率もそのひとつだ.これは,将来の改革や選挙政治のどちらにとっても重大な含意をもっている. 一点,はっきりさせ

    アレックス・タバロック「ヒスパニック系と白人の犯罪率が同水準になりつつある」(2021年8月29日)
  • スウ・マルケス「鉛を根絶する」(2021年5月20日)

    Burying the lead Words by Sue Márquez 20th May 2021 Issue 4 鉛中毒が、脳に損傷を与え犯罪の悪化をもたらすことは、何十年も前から研究者達には知られていたが、何百万人ものアメリカ人はいまだに鉛汚染された水を毎日飲んでいる。この問題を解決する方法を紹介する。 バイデン政権による新しいインフラ投資法案に関心が集まっている。関心のほとんどは、全米を高速鉄道で横断する計画や、高速ブロードバンドを全世帯に普及させる計画などだ。しかし、ほぼアメリカ全土で、水道管の交換に450億ドルを投じることは、あまり注目されていない。これは他の多くの法案に比べて派手さはない。しかし、アメリカ人の長期的な幸福、国の繁栄に最大の利益をもたらすのはこの法案だろう。 鉛汚染が健康に悪影響をもたらすことは、何十年も前から知られてきている。鉛汚染は人々のIQを低下させ、犯

    スウ・マルケス「鉛を根絶する」(2021年5月20日)