北米のケーブルテレビには、特定のテーマをもつチャンネルが多い。同じ内容のものだけ提供するということが前提なので、一つの番組を数日にわたり、ひいては一日に数回も繰り返し放送するのが、一つのスタイルになっている。そのため、チャンネルを回したら、「Iron Chef America」が頻繁に目に飛んでくる。 これは、いうまでもなく例の「料理の鉄人」のアメリカバージョンだ。本家の番組はすでに存在しなくなった現在、一つの日本のテレビ番組をここまで真剣に、しかも情熱を込めて作り続けること自体、不思議でならない。内容も構成も、人為的な作為が強く感じさせるタイトルのつけ方も、そっくりそのまま本家のものを引き継いだだけではなく、カメラアングル、画面切り替えのリズム、盛り上げの仕掛けなど、どれも「日本風」のものだと感じさせて、それこそちょっとした魅力的な風景だ。 台所をお見せする。料理を作るということを隠すの