前回はグーグル和解問題の概要について説明しました。2月末に和解案に基づく告知が出て以来、日本の出版社、著作権者の団体は情報収集に奔走し、説明文書が乱れ飛ぶ混乱した状況が生じています。当初、和解からの離脱(オプト・アウト)期限として設定されていた5月5日までに態度を決するのは、時間的にかなり厳しいというのが関係者の共通した認識でした。これは、どうやら世界各国とも似たような状況だったのか、タイムリミットが迫る先月末、急遽離脱期限が9月4日に延長されることになりました。 日本での動きとしては、日本文芸家協会が、同協会に管理を委託する作家ら2200人がデータベースからの著作物の削除を希望していることを明らかにしているほか、詩人の谷川俊太郎氏らが参加する日本ビジュアル著作権協会は、4月25日の段階で、和解自体から離脱する意向を表明しています。各出版社は、おおむね和解には応じた上で、著作権者の意向を