「風邪ひかずに、ご飯食べてるのかなぁと思って…」。家族のことを気にかける男性(当時87)。去年11月に介護老人保健施設・茨戸アカシアハイツ(社会福祉法人札幌恵友会、札幌市)に入所し、リハビリに励んでいた。 【映像】ドキュメンタリー『介護崩壊 ~救えなかったクラスター~』 しかし妻の待つ家に戻ったのは、男性の遺骨だけだった。「ひょこっと帰ってくるんじゃないかって。遺体も見てないし」「悪くなってから亡くなるまで3日とかくらいで、私たちがわからないうちに亡くなった」と遺族。 後日、施設から受け取った看護記録からは、男性が“急変の可能性がある”とされながら見回りもなく、翌日未明に心肺停止の状態で見つかったことが判明した。「1人で苦しんで死んじゃったのかなと思うと、なんかね…」「急変する前に医療が受けられたらと思うと、悔しいというか、悔やみきれないですよね」。 茨戸アカシアハイツでは、入所者と職員あ