2010年05月30日11:48 カテゴリその他 マルクスが追求したのは「自由の国」だった マルクス主義は自由主義の対極にあると思われているが、マルクスの思想の本質は自由主義である。彼は社会主義という言葉をネガティブな意味でしか使わなかった。共産主義という言葉も晩年にはあまり使わず、好んで使ったのは自由の国(Reich der Freiheit)という言葉である。 自由の国は、必要と外的目的性に迫られて労働することがなくなったとき、初めて始まる。だからそれは当然のこととして、現実の物質的生産の領域の彼方にある。この国の彼方に、自己目的としての人間の力の発展が、真の自由の国が始まる。それは必要の国をその基礎としてのみ花咲きうるにすぎない。労働日の短縮がその根本条件である。(『資本論』第3巻48章) マルクスが資本主義の彼方に想定したのは、資本家による生産手段の私的独占を廃止し、労働者が共有す