はじめに Googleカレンダーのような時間枠を扱うシステムを設計する際、開始・終了時刻を管理するロジックは容易ではない。 しかし、PostgreSQLには 範囲型 があり、この機能を活用することで、開始時刻(begin_at)と終了時刻(end_at)を1つのカラムで扱えるようになる。 そこで本稿では、範囲型を用いた設計と、その利点を紹介する。 時間枠を扱う難しさ まず前提として時間枠の扱いがなぜ難しいかを紹介する。 ソフトウェアデザインでやっている連載、実戦データベースリファクタリングの 【12】厄介な時間枠に向き合う でも紹介したが、時間の範囲を比較するときが難しい。 範囲の重なりには以下の種類がある。 包含:範囲Aが範囲Bを完全に含む 重複:範囲Aと範囲Bに共通点がある 隣接:範囲Aと範囲Bが隣り合う 時間枠の扱いはSQLに限らず、プログラミングの題材として難易度が高い。 特に重複