大津市歴史博物館は19日、1891年(明治24年)に巡査・津田三蔵がロシアのニコライ皇太子を襲った「大津事件」についての判決文や調書などの裁判記録を初めて一般公開すると発表した。 津田や関係者の証言などが記録され、事件の審理過程を知る上でも貴重という。公開は3月1日から4月13日まで。 大津事件は、滋賀県大津町(現・大津市)の路上で、来日中のニコライ皇太子(後のニコライ2世)に対し、警備にあたっていた津田がサーベルで切りつけ、頭にけがを負わせた。 ロシアとの外交関係を懸念する明治政府は死刑を求めたが、現在の最高裁判所にあたる大審院は謀殺未遂罪を適用し、無期徒刑(懲役)の判決を下し、「司法の独立を守った」と評価された。 公開されるのは、大津地裁での予審に際して記録された津田本人の尋問調書のほか、津田の妻や母、皇太子を乗せた人力車の車夫ら32人の証言調書、大審院の判決文など計984ページ。最高