取り調べを受けることなく帰国した北の漁民 10月7日午前9時頃、北朝鮮漁船と思われる鋼鉄船が水産庁漁業取締船「おおくに」(約1300トン)に衝突し、沈没する事件が起きた。沈没した北朝鮮船には、60人ほどが乗船していた。 「おおくに」は、船上から救命ボート、救命いかだを下し救助にあたったが、救助された北朝鮮漁民は、別の北朝鮮船に収容され取り調べを受けることもなく帰国してしまった。 水産庁の取締船に救助される北朝鮮の漁民(提供:第9管区海上保安本部) この記事の画像(9枚) 国連による経済政策が続く北朝鮮では、慢性的な食物不足が続いている。食料確保のため北朝鮮政府や軍部は、出漁を漁業戦闘と鼓舞し、漁民を荒れた海に半ば強制的に送り出している。 昨年、日本の海域に漂流、漂着した北朝鮮漁船は200隻を超える。この漁船が全て海難事故に遭遇したのなら、2000人近くの命が海の中へ消えたことになる。 日本