昨秋にWileyから再版されたブラックの書籍*1から、第一章に収録されている表題の論文のうち、「支払手段の進化」について書かれた部分を、抜粋し訳して*2みたい。余計な解説をつけたくなる気持ちをグッと抑えて、さっさと進めよう。どう考えても、このままの方が凄みが感じられると思う。1970年に発表された当時は、あまり反響がなかったそうです。 個人所有ビジネスと、商品による支払いの世界 最もシンプルな世界を考えよう。ここには金融市場は存在しない。あらゆるビジネスは個人によって所有されていて、売買されない。すべての取引は物々交換によって行われるので、高コストにならざるを得ない。あるいは、小さくて持ち運び可能で、時間が経ってもあまり価値が変わらないような商品があれば、支払手段として使うこともできるかもしれない。しかし、いずれにせよ実物資産の物理的な交換を伴うとすれば、とても面倒だ。しかもその商品は、そ
![マネーのない世界 - 投資の消費性について](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/07cf327a6525c059a895a695d303a563e005b332/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41pgHD9uqZL._SL160_.jpg)