このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2
![なぜ人は“録音”よりも“ライブ演奏”で感動するのか スイスの研究者が解明 MRI内で音楽鑑賞して実験](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0bd03d83d609b35153745cb3bb0ded4c5630bfc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimage.itmedia.co.jp%2Fnews%2Farticles%2F2403%2F05%2Fcover_news053.jpg)
エグゼクティブバイスプレジデント兼コンシューマーチーフマーケティングオフィサーのユスフ・メディ氏は発表文で、「これにより、コンピューティング体験が簡素化されるだけでなく、さらに拡大され、2024年はAI PCの年となるだろう」と語った。 「(1月10日開催の)CESまでおよびCESで、パートナーが発表する多数のWindows PCでCopilotキーが表示され始める。今後リリースする「Surface」シリーズを含め、1月末から春にかけて利用可能になる」(メディ氏) 関連記事 Microsoft Copilot、GPT-4 Turbo、最新DALL・E 3対応などでグレードアップ Microsoftは、生成AIサービス「Microsoft Copilot」で間もなく提供する予定の複数の新機能を発表した。「GPT-4 Turbo」採用で2023年4月までの情報を反映する他、動画要約も可能になる
全国銀行協会(以下、全銀)は10月18日、銀行間の送金を行う「全国銀行データ通信システム」(全銀ネット)で10日から11日にかけて発生した障害について会見を行い、現状を説明した。未だに根本的な原因は特定できず、暫定的な“代替対応”のまま運用しているという。 不具合はシステムのリプレース直後に発生した。全銀は7~9日の3連休を利用し、加盟14銀行の中継コンピュータを「23シリーズ」と呼ぶ新機種に更新した。それまでの「17シリーズ」は各機関に設置していたが、今回は全銀センターに集約して運用する形にした。 9日までに製品単体試験から相互運転試験までいくつもの試験を行っていたが、不具合は見られなかったという。 しかし10日午前8時30分。システムが通信を始めると、10行の中継コンピュータで電文の送受信ができなくなった。りそな銀行や三菱UFJ銀行などで他行宛の振込取引ができない状態になった。 バック
伊藤園は8月28日、9月に発売する「お~いお茶 カテキン緑茶」のパッケージデザインに画像生成AIを活用したと発表した。同様の取り組みは同社初。「中身だけでなく、外観も時代に合った魅力を伝えられる製品開発に努める」(同社)という。 画像生成AIサービスは、商品パッケージのリサーチやデザインを手掛けるプラグ(東京都千代田区)のものを活用。商品デザインに特化したAIサービスの先行試用版で生成した画像を参考に、デザイナーが一から作り直したという。 AI活用のデザインは500ミリリットル、1リットル、2リットルのペットボトルに加え、パウダータイプの「お~いお茶 カテキン緑茶 スティック」で採用。「茶葉の生命力を現したもので、従来のデザインとは一線を画す鮮やかな色彩と抜群の視認性を最大限に引き出したデザインをあしらった」(伊藤園)としている。 関連記事 AIが生成した絵画が、アニメ「BEASTARS」
三菱電機は8月21日、人の脈を計測して設定温度などを制御する機能「エモコテック」を搭載したエアコンを拡充すると発表した。「霧ヶ峰」の新製品「FZ、FD、Z、ZD」シリーズに搭載する。 室内機に搭載したバイタルセンサーで人の脈を非接触で計測。そのゆらぎ方から快/不快の感情を推定し、設定温度や気流を制御する。例えば「不快」と判断すると風が人に当たらない運転に切り替えるという。 室温や人の温冷感などを検知する赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.+」とも連携する。ムーブアイを使って温度や湿度を調整した後、バイタルセンサーで快/不快を判別してフィードバックする仕組み。 在宅勤務や勉強の時に役立つ「フレッシュモード」も搭載した。フレッシュモードに切り替えると自動で室温を少し下げ、バイタルセンサーが脈のゆらぎから脳の活動レベルを推定。脳の活動レベルが低下していると判断した場合、わざと人に風をあてる。
ホットドッグにケチャップやマスタードをかけるとき、トーストにジャムやマーガリンを塗るとき、多くの人が一度はある容器をパキッとしたことがあるのではないでしょうか。片手で簡単に調味料をかけたり塗ったりできるアレです。 このパキッとする容器の名前をご存じでしょうか。正式名称は「パキッテ」で、日本で唯一、ディスペンパックジャパン(神奈川県南足柄市)が生産しています。名前の由来は、まさにパキッと容器を折る動作です。 米国生まれのパキッテ パキッテのアイデアは、もともと米国で考案されました。1984年に開催されたある展示会で、パキッテが出展されていたそうです。「最初のアイデアは、高所作業員が指をけがした際に、片手で薬を塗るなどの応急処置ができるようにと考えられたものでした」(同社担当者)
スイス銀行、ドイツ銀行に続き日本銀行も? トレンド入りした「#日銀破綻」の現実性:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ) Twitterのトレンドに「#日銀破綻」というセンセーショナルなワードが入った――。 スイス金融大手・UBSによるクレディ・スイスの買収騒動が、ドイツ銀行といった各国の大手金融機関に飛び火する中、わが国の中央銀行である日本銀行(日銀)も「破綻」、ひいては「預金封鎖」や「新通貨の発行」に踏み出すのではないかというとっぴな言説がSNSを駆け巡った。 クレディ・スイスは漫画作品や小説などで通称「スイス銀行」と呼ばれる銀行の一つであり、ドイツ銀行もドイツという国名を看板に背負った商業銀行だ。確かに日銀も国名を背負っている点では共通しているが、商業銀行ではなく中央銀行である点で大きな違いがある。果たして、中央銀行としての日銀が破綻するようなことが本当にあるのだろ
AIの安全性について研究する非営利の研究組織Future of Life Institute(FLI)は3月28日、GPT-4よりも強力なAIシステムの開発と運用を少なくとも6カ月間停止するように呼びかける書簡を公開し、本稿執筆現在1000人以上が署名している。イーロン・マスク氏や、米Appleの共同創業者、スティーブ・ウォズニアック氏の名前もある。 人類にとって深刻なリスクをもたらす可能性のある一般的なタスクにおいて、人間と競合するようになったAIシステムに対する懸念から提示された。現在のAI技術が安全性や倫理性の問題を引き起こす可能性があるため、研究者や開発者に対して、これらのリスクを十分に評価し、必要な対策を講じるよう呼びかけている。 また、AIがもたらす利益とリスクの均衡を保つために、国際的な協力と競争の制限が重要だと主張する。信頼性、アライメント、忠誠心などを確保するために必要な
国民生活センターは3月15日、ご飯の糖質を低減できるとうたった、いわゆる「糖質カット炊飯器」を実際にテストした結果を発表した。含まれる糖質(デンプン)の総量は「通常の炊飯の場合と大きな差はみられなかった」という。 糖質カット炊飯器の多くは、炊飯の途中で米をすすぐごとで二重底の内釜の穴から糖質が溶け出した水が出るという仕組み。しかし市販の6製品をテストしたところ、同量の米を通常のマイコン炊飯器で炊いた場合に比べて水分が1~2割多い炊き上がりになったものの、含まれる糖質の総量に大きな差はみられなかった。 水で重量が増えたぶん同じ重量あたりの糖質の割合は低くなるが、4つの製品は商品サイトなどに記載していた「糖質を最大約3分の1カット」といった文言を満たさないと考えられるという。これらは「景品表示法上、問題となるおそれがある」。 国民生活センターには2017年以降、糖質カット炊飯器に関する相談が2
AIで好きなポーズを出すために、モデルを10万枚撮影して手動でタグ付けしてみた:清水亮の「世界を変えるAI」(1/4 ページ) NHKの取材も来たし、週末だけ浅草橋の駅前で開店している「技研バー」では毎回その話題になる。 ごく一部で注目されていて、まあもともとが下手すぎる漫画なのでまじめに読んでもらっても困るのだが、つい先日、あの「宇宙兄弟」のプロデューサーである佐渡島庸平さんともお話しする機会を賜り、個人的にはずっと俺得という状況が続いていた。 AIの課題「欲しいポーズが出せない」 最初にAIで漫画を描くときのハードルは、「同じキャラクターが出せない」というものだったが、これはDreamBooth(Memeplexではカスタムモデル学習)を使うことで解決できた。 次のハードルは、「欲しいポーズが出せない」というものである。 また一方で、誰かが描いたイラストをAIに下書きとして渡して、顔や
ジェーシービー、みずほフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、りそなホールディングス、損害保険ジャパン、凸版印刷、富士通、三菱商事、TBT Labの10社は2月27日、「ジャパン・メタバース経済圏」創出に向け、基本合意書を締結したと発表した。 10社は、TBT LabグループのJP GAMESが手掛けるメタバース構築フレームワーク「PEGASUS WORLD KIT」を用いたBtoB向けのオープン・メタバース基盤「リュウグウコク(仮)」を構築。ゲーミフィケーション、FinTech、ICTなどの技術やサービスを統合し、プラットフォーム内メタバースの連携、異なるメタバースプラットフォームの相互運用を可能することで、社会インフラとして国内企業の情報発信、マーケティング、企業DX、消費者EX(エクスペリエンス・トランスフォーメーション)を実現す
米Twitterは2月2日、Twitter APIの無料提供を9日(米国時間)で終了すると発表した。対象になるのはバージョン1.1、2の両方で、代わりに有料版を提供するとしている。同社の開発チームのTwitterアカウント(@TwitterDev)が明らかにした。 同社は「長年の間、何億人もの人々が1兆を超えるツイートを送信し、毎週何十億ものツイートが投稿されている。Twitterのデータは、世界で最も強力なデータセットの一つだ。私たちは、迅速かつ包括的なアクセスが可能になるよう取り組む。あなた(開発者)は引き続きわれわれとともに開発が可能だ」としている。 詳細については来週報告するという。 関連記事 「Twitter API有料化」の影響範囲は? 現状から予想できること 「Twitter APIの無料提供を終了する」という米Twitter。詳細はまだ分からないが、現状からどんなシナリオが
東日本旅客鉄道(JR東日本)は12月22日、駅社員へのウェアラブルカメラ導入を発表した。トラブル発生時にライブ映像を確認することで、速やかな駆け付け体制を構築できる他、トラブル発生時の状況や経緯などの正確な把握、駅社員の安全性向上を見込む。 ウェアラブルカメラは、腕や胸部などに装着し、駅構内や社内の巡回中に使用する。カメラ使用中は、録画していることが分かるよう表示する。また、撮影した映像データはトラブル防止などの目的のみで使用し、取得した映像データは一定期間保存後、消去するとしている。 導入は12月26日以降、準備ができ次第としており、2022年度内にJR東日本管内15駅程度での運用を予定する。 関連記事 JR東、首都圏走る全車両に防犯カメラ設置 JR東日本は、首都圏を走る全ての在来線・新幹線車両に今夏以降、防犯カメラを設置すると発表した。 JR東海、新幹線車内に防犯カメラ増設 客室にも
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 スコットランドのHeriot-Watt University、フランスのUniversity Paul Sabatier、英University of Sussexによる研究チームが発表した論文「Selective neutralisation and deterring of cockroaches with laser automated by machine vision」は、ゴキブリを自動的に射殺できるデバイスを提案した研究報告だ。カメラでゴキブリを捉え、その位置にレーザー光を照射して殺傷する。
はさみという道具は、紀元前1000年には既に存在していたといわれている。当時はU字型の、現在は通称「和はさみ」といわれる形のもので、現在の主流となっている2枚の刃が交差してハンドルで操作する形は1880年頃にフィンランドのフィスカース社が作ったとされている。そしてそれ以降、はさみの基本的構造は140年以上変わっていない。 しかし、実ははさみ自体はきちんと進化している。例えば、紙を切るためのはさみと布を切るための「裁ちばさみ」、植木を切るはさみなどは、その刃の作り方やハンドルの構造など、全く別物といって良いほど違う。刃物である以上、切るものに合わせてバリエーションが生まれるのは当然だし、道具である以上、専門化していくのも当たり前の道筋だ。 家庭用の一般的な用途に使うはさみも様々な製品が発売されている。最近ではプラスの「フィットカットカーブ」シリーズが、その湾曲した刃によって、刃の先の方でも切
三菱電機は9月29日、炊飯器や冷蔵庫などの家電製品やネットワーク機器などで複数の脆弱性が見つかったと発表した。悪用されるとDoS攻撃を受けた状態になったり、情報漏えいが発生したりする恐れがあるとしている。 【編集履歴:2022年9月30日午後8時 画像内に対象製品ではないものが含まれていたため修正しました】 対象製品は同社製のエアコン、無線LANアダプター、冷蔵庫、給湯器、バス乾燥機、炊飯器、換気システム、スマートスイッチ、太陽光発電システム、IHクッキングヒーターなど。 見つかったのは(1)情報漏えいの脆弱性、(2)DoSの脆弱性、(3)悪意のあるスクリプトを含むメッセージを応答する脆弱性。認証情報が暗号化されず、盗聴により情報を盗まれる恐れもある。 対象製品と対処法一覧(情報漏えいの脆弱性) 対象製品と対処法一覧(DoS、悪意のあるスクリプトを含むメッセージを応答する脆弱性) 三菱電機
まず研究チームは、自動車のフロントバンパーにモーター駆動で視線を動かせる目を取り付けた実験車両を製作。車両が走行、停止する様子を道路を横断しようとする歩行者の視点で撮影した。実験では歩行者が急いで自動運転車の前を横断する場面を想定。実験参加者が歩行者となり、道路を渡るべきか止まるべきかをVR動画を見てもらうことで判断させた。この際、車両の目や視線の有無で結果が変わるのか検証した。 実験に参加した18~49歳の男女各9人(計18人)の結果を評価したところ、目の付いた車両で視線を向けると危険な道路横断を低減できる可能性があると分かったという。 車両からの視線がある場合、男性歩行者は危険な道路横断(車両が通過しようとしている状況での横断)が減少し、女性歩行者は安全な状況(車両が停止しようとしている状態)での無駄な停止が減るなど、性別による行動の差異を示したとしている。 動運転車に目を実装するアイ
nCinoの調査によると、地域金融機関の法人営業担当者は、顧客との対話よりも行内事務に多くの時間を費やしており、データの有効活用ができず機会損失の恐れがあることが浮き彫りになった。課題解決のためにまず何をすべきか? nCinoは2022年8月10日、地域金融機関におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の実態に関する調査レポートを発表した。 nCinoは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をはじめとした地域経済への打撃や低金利により銀行融資の需要は高まる一方、少子高齢化による就労人口減少の影響で地域金融機関にはより一層法人融資業務のDXが求められているとみている。 同調査は、地域金融機関の法人融資業務におけるDXの推進状況や業務の実情を明らかにするため、金融機関で現在または過去10年以内に法人融資業務に携わった人を対象に、2022年5月11~5月13日にインターネットで実施
取り組みを担当するデジタル庁の占部祥企画官は「1万件以上のものについてはやろうと位置付けられている。今年度中に各省庁は取組方針について明らかにする。費用対効果の関係で、まずは件数の多いものから順次やっていく方針だ」と話す。 これまで、国税や関税、国民年金保険料などはクレジットカード決済が可能になってきたが、その実現には個別の法律を改定する必要があった。キャッシュレス法が施行されれば、個々の法律を変えなくても、広く国の歳入一般の納付をキャッシュレス化することが可能になる。 具体的には、年間100万件を超えるものについては、すでに対応スケジュールが公開されている。第1弾となるのが年間5000万件の納付がある自動車検査登録手数料、いわゆる車検料だ。こちらは23年1月に導入を予定し、準備中だ。 そのほか、コロナ前で400万件を超える旅券(パスポート)、4500万件を超える登記、500万件を超える交
米Twitterの共同創業者、ジャック・ドーシー氏が率いる米Block(旧Square)は6月10日(現地時間)、ビットコインベースの新プラットフォーム「Web5」を発表した。Blockの暗号資産部門TBDは、Web5をWeb3を超える「分散型Webプラットフォーム」と説明する。 ドーシー氏は、Web3をとりまく状況への批判的な発言で知られる。本来は分散型であるべきWeb3に大手VCなどが大金を投資することで、結局は一般ユーザーではなく一部の富裕層しかWeb3の恩恵を受けられなくなると主張している。 ドーシー氏のツイートに連なる“会話”で「Web1を仕切っていたのは科学者、Web2は起業家、Web3はVCだった。Web5を仕切るのは誰?」という質問にドーシー氏は「人々(The People)」と応えた。 TBDのWebサイトでは、Web5を「データとIDを個人が管理できる分散型Web」とし
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