歴史上、最も成功した経済システムである資本主義は、世界を破壊する危機に直面している。気候変動から世界を守るために、いま企業が取り組むべきこととは。 気候変動という大きな問題に対し、企業の役割とは何かを授業で取り上げてきたハーバードビジネススクール(HBS)教授のレベッカ・ヘンダーソンは、いまこそ産業界が公益性を目標にして、コロナ禍を変革のチャンスに変えるべきだと言う。 『資本主義の再構築―公正で持続可能な世界をどう実現するか』(日本経済新聞出版)を上梓した同教授に、企業はそのために何をすべきかを聞いた。 ──環境ジャーナリストのお兄さんから勧められた本を契機に気候変動に危機感をもったそうですね。気候変動は、あなたの仕事とどのように関わっていますか。 気候変動は過去15年間、私の職業人生の中核を占めてきた。(このテーマは多くの研究者が取り組んできたが、)企業がどう行動すべきかを検討してきた学