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ブックマーク / agora-web.jp (81)

  • クラウアーの二重決定仮説(*ややテクニカル)

    近頃、ときどき「ワルラス法則」という言葉を耳にすることがあって、懐かしい気がするとともに、過去の様々な議論の成果がほとんど継承されていないことに残念な思いをしている。私が大学院生をしていた1970年代の後半は、ワルラス的な一般均衡論のパラダイムが(完成したがゆえに)活力を失い、それに代わって非ワルラス的経済学(Non-Walrasian economics)と呼ばれるような考え方が隆盛してきた時期だった。非ワルラス的経済学をめぐる議論の中には、ケインズ経済学の再解釈やそのミクロ経済学的基礎を問う議論も当然に含まれていた。 ケインズ経済学のミクロ経済学的基礎を考えるとすると、供給が需要を生むという「セイの法則」が成立することはないとしたケインズ的世界において、「ワルラス法則」をどう理解するかということが否応なしに問題とならざるを得ない。貨幣を含まない(あるいは、あらゆる財が実質的に貨幣として

    クラウアーの二重決定仮説(*ややテクニカル)
    equilibrista
    equilibrista 2011/02/01
    アローとドブリューまで戻ってもよいと思う。単に貨幣が特殊な存在ではなかっただけだ。
  • 宝くじと競馬とFX、そしてパチンコ

    株式投資に懐疑的な日人が、なぜこの4つには盛り上がるのか。それは、これらが株式投資よりも遥かにフェアであるからである。 最もフェアなのは、競馬。誰にでも勝つチャンスがあり、ほぼ平等だ。ある種のインサイダー的な要素はあるが、そこは普通の情報戦。どのような経済活動にも、情報による有利不利はある。それがないのが、宝くじで、その意味では、最も宝くじが平等だろう。だから、宝くじが日では一番人気がある。世界で、宝くじをまともな人間が買うのは日だけだから、日人のフェアネスへの志向は極めて強いといえるだろう。フェアネスのためには、60%を国などに献上しても構わないというのであるから。 競馬も同様に人気がある。競馬も、これほどまともな人間が馬券を買う社会も少ない。それは日の競馬界の努力の賜物で、フェアであることに異常に神経を使っているのは、我々にとっては異常に思えるほどであるが、その結果が馬券の売

    宝くじと競馬とFX、そしてパチンコ
    equilibrista
    equilibrista 2010/12/25
    なんだこれ。リスク負担を評価するプレミアムの概念を理解しない学者が株価を語るな。
  • パチンコもカジノも解禁しよう

    小飼弾氏のブログ記事をきっかけに、パチンコをめぐる議論が盛り上がっているようなので、「アゴラ」からも火に油を注いでおきましょう。 韓国はパチンコを全廃したそうですが、これは賢明な政策とは思えない。賭博に対する需要はどこの国でも大きく、それを禁止すると非合法化して暴力団などの資金源になるだけです。問題は、いろいろな賭博の扱いが違うことです。 カジノ:禁止 麻雀・ゴルフ賭博:黙認 パチンコ:規制 競輪・競馬・宝くじ:公営 このような扱いの違いに論理的な理由はなく、歴史的な経緯によるものです。禁止の最大の理由は、賭博によって破産したり依存症になったりするということですが、それなら競輪も競馬も禁止しないと理屈に合わない。「賭博はゼロサム・ゲームで非生産的だ」というなら、外為市場も金融商品もゼロサム・ゲームです。現にデリバティブを日に導入するとき、それが刑法の賭博罪にあたるのではないかという検討が

    パチンコもカジノも解禁しよう
    equilibrista
    equilibrista 2010/12/23
    25世紀には、リスクを欲する気持ちと、リスクを負担して欲しい気持ちは、うまく出会っているはずだ。そのことを促したい。
  • インフレとともに消える造幣益(シニョレッジ)

    現金需要に関しては、「財政的支援が欠かせない信用緩和」という記事の中で簡単に説明したことがあり、その際に造幣益(シニョレッジ、seigniorage)についても言及した。しかし、現金需要といったことを全く無視した議論をする人がいるようなので、改めて現金需要について解説しておきたい。 お金はいくらでもほしいのが人情であるけれども、現金の形態のままでずっと持ち続けようとする額には上限がある。この「現金の形態のままでずっと持ち続けようとする額」のことを経済学では「現金需要」と呼んでいる。現金に関しても需要と供給があり、いくら供給したいと思っても、需要がついてこなければ実現することはできない。むしろ現行の制度的な仕組みの下では、現金供給は現金需要に受動的になされざるを得ない。 例えば、各世帯に10万円ずつ5000万世帯に現金を配ったとする。すると、その時点では5兆円の現金供給が追加されることになる

    インフレとともに消える造幣益(シニョレッジ)
    equilibrista
    equilibrista 2010/12/09
    引用いただいて光栄ですが、資産がケチャップだと利息が付きませんから、トマトの種を買って植えて増やした方がよさそうですね。そのとき物価は、トマト栽培のオプションだ。 RT @proppin72: インフレとともに消える造幣
  • 量的緩和の未来

    量的緩和をリフレの手段と見るリフレ派は問題外としても、量的緩和に対する多くの理解は間違っている。 量的緩和の拡大により、金融緩和期待が高まり、国債金利が上昇していることを期待インフレ率の高まりとみなし、これが現実の足元のインフレにいつか反映されるはずだが、それがまだ実現しておらず、さらなる拡大により、これを実現するべきだ、というような議論は、根的に誤っている。 もし教科書に載っている公式が常に現実にも成立していると考えるなら、米国において期待インフレ率は上昇していると考えられるかもしれない。 政策金利がほぼゼロである状況が維持されたまま、10年物国債の金利が2.5%から3.0%に上昇した場合に、この0.5%の上昇は、国債のリスクプレミアムが不変とするならば、期待インフレ率の上昇と解釈される。ここで為替の減価を考えないのは、米国ドルは基軸通貨であるというより投資における基準通貨という風に言

    量的緩和の未来
    equilibrista
    equilibrista 2010/12/06
    なんだこれ。貨幣の信用プレミアムを含む「期待インフレ率」が上昇することは、ちっともおかしくない。単に「期待」を、「予想」や「懸念」と読み替えろって話だ。
  • 実質金利の連動性が高まる世界

    「どの国の中央銀行も最終的に責任を有しているのは自国の物価と経済活動の安定に対して」(白川・日銀総裁)だとしても、ある国の中央銀行の行動は他国にも影響を及ぼす。それは、各国間では財・サービスの交易が行われており、資移動も自由化されている状況が拡大してきているからである。取引機会の拡大の中で、裁定というタイプの活動が活発に行われるようになれば、各国間で(リアルな)経済変数の連動性が高まることになる。 例えば、裁定の結果として、もし(1)先物カバーなしの金利平価条件、即ち、内外金利差は為替レートの予想増価率に等しい、と(2)相対的購買力平価条件、即ち、為替レートの予想増価率は内外の予想インフレ率の差に等しい、の2つが同時に成り立つならば、内外の実質金利水準は均等化することになる。要するに、(1)と(2)から、為替レートの予想増価率を消去すると、内外金利差は内外の予想インフレ率の差に等しいとな

    実質金利の連動性が高まる世界
    equilibrista
    equilibrista 2010/11/26
    その地域に流れる時間の価値が実質金利で、それは本質的に制御不可能だというのが、そこに生きる人々の全員が決めるというのが、少なくとも自分の理屈の出発点だ。
  • 金融構造の今昔物語

    先の拙記事、やさしい「財政ファイナンス」の話とその補足では、伝統的なマクロ経済学のモデル(IS-LMモデル)で想定されているような単純化された金融構造をやはり想定して、説明を行った。この種の金融構造の単純化は、現在ではあまり違和感のないものだと思われるが、1980年代以前においては、そうではなかった。当時の金融論研究者の大きな悩みの1つは、マクロ経済学では公開市場操作を通じて貨幣が供給されると教えているが、そんな現実は日にはないというところにあった。 日の現実にそくして金融構造をモデル化するためには、政府・中央銀行・民間の3部門区分では不十分で、民間部門を民間銀行部門と民間非銀行(企業と家計)部門に分けて考える必要がある。むしろ均衡財政の下で国債の発行が無視できた状況では、金融構造をモデル化するに際して政府部門をあえて考慮する必要はない。それゆえ、中央銀行・民間銀行・民間非銀行の3区分

    equilibrista
    equilibrista 2010/11/02
    政府も中央銀行も、民間の銀行も、企業も家計も、区別する必要などない。資金の分業をするために、貸借が発生していると考えればよいだけだ。そのとき「マネー」を括り出すことは不可能で、中央銀行は単に決済を担う
  • デフレのマクロ経済学的な問題点

    実は、真のデフレスパイラルとはタバコ増税の問題と関連している。 マクロ的には、デフレの問題点は二つ。一つは、日銀がゼロ金利政策を実施しても実質金利がプラスになってしまい、金融緩和政策が取れなくなること、あるいはフレキシビリティが低下すること。もう一つは、真の意味でのデフレスパイラルが起こることだ。そして、真の意味でのデフレスパイラルは、その逆の現象である、タバコ増税などと同じ減少なのである。前者の議論は、日銀に何ができるか、という論点で議論すべきで、次回に議論することとしたい。問題はタバコである。 この論点は、1990年代末にポール・クルッグマンが日のデフレの問題として指摘したことで、広い意味で言うと、ケインズが言ったことになっている流動性の罠の実体経済版となる。ここで、まどろっこしい言い方になっているのは、ケインズは流動性の罠という言葉を少なくとも著書「一般理論」の中では使っていないか

    デフレのマクロ経済学的な問題点
    equilibrista
    equilibrista 2010/10/21
    なんだこれ。実質金利が上昇することと、消費を繰り延べる「デフレスパイラル」は、本質的に同じものだ。直近の物価は1%程度の下落、誰も暴落を予想していない。
  • 確率といういかがわしい概念 - 『強さと脆さ』

    強さと脆さ――ブラック・スワンにどう備えるか 著者:ナシーム・ニコラス・タレブ ダイヤモンド社(2010-11-27) 販売元:Amazon.co.jp ★★★☆☆ 世界的ベストセラーになった『ブラック・スワン』の第2版につけられた付録が、日では独立のとして来月、出版される。英文のドラフトの一部はウェブサイトにも出ており、私もこの部分だけコメントした。 付録なので170ページ程度の小冊子だが、論じているテーマは重い。根的な問題は、現代の統計学や経済学が扱っている「確率」という概念がいかがわしく、これが人々をミスリードして危機をまねくということである。ケインズやラムゼーが1920年代に指摘したように、社会の出来事を統計力学のモデルで語るのは誤りである。なぜなら、そこには主観から独立に決まる存在論的確率がないからだ。 たとえばサイコロを繰り返し振れば、1の出る確率は1/6に収斂するだろう

    確率といういかがわしい概念 - 『強さと脆さ』
    equilibrista
    equilibrista 2010/10/16
    そんな「確率」は、誰も「使って」いなければ、必要ともしていない。リスクは、主観的に「納得する」価格で取引されるだけだ。 RT @agora_japan: アゴラ : 確率といういかがわしい概念 - 『強さと脆さ』
  • 予想できたはずの危機後の円高

    リーマン・ショック(投資銀行リーマン・ブラザースの破綻)から、来週の15日で丸2年になろうとしている。そして、少なくともリーマン・ショックの半年後の時点では、グローバル・インバランスの巻き戻し(リバランス化)が求められている以上、「当然、為替レートは、円高ドル安になります。」(『なぜ世界は不況に陥ったのか』2009年3月、p.17)という見通しをもつことは、すでに可能であったと思う。 もちろん日々の為替レートの動きなど、経済学で予想することはできない。1週間、1ヶ月、1四半期あたりでも、不可能だろう。しかし、より長い目でみたときの趨勢的な動きについてなら、少しは見当を付けることができる。為替レートの基調的な動きが、インフレ率格差(相対的購買力平価)や資移動の動向をはじめとしたファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)をいつまでも全く反映しないとは考え難いからである。 現実の為替レートの動き

    予想できたはずの危機後の円高
    equilibrista
    equilibrista 2010/09/10
    なんだこれ。リスクを事前に担保するか否かは、それが予測可能か否かとは関係がない。政府が何を備えておく「べき」だったのか、さっぱりわからない。それぞれのビジネスが「対策」するのを邪魔しないこと以外に、一
  • 消費税の段階的増税を - 池田信夫

    先日の記事で法人税の減税を提言しましたが、きのうの日経新聞の「経済教室」で、井堀利宏氏も法人税の減税を求めています。それと同時に彼が提唱しているのは、消費税の増税です。不況に増税するというのは一見、おかしな政策のようにみえますが、実は消費増税は消費を促進する効果があるのです。 この図は、1997年4月に消費税が3%から5%に引き上げられたときの実質GDP成長率です。増税の決まった96年10~12月期に、増税前の駆け込み需要でGDPが大きく上がり、増税後の97年4~6月期にその反動でマイナス成長になっています。これを「橋政権の増税で不況が悪化した」などというのは誤りで、10~12月期には通常の値に戻っています(98年に下がったのは信用不安が原因)。 したがって、たとえば「消費税率を2020年まで毎年1%ずつ上げる」と決めれば、一種の人為的インフレを起こすことができ、消費が刺激されます。この

    equilibrista
    equilibrista 2010/02/24
    どうして消費を急かされなきゃならないんだ。
  • 経済を脳死させないために「金利教育」の強化が不可欠だ - 磯崎哲也

    いよいよ2月1日から全国で中学受験格的に始まる。私事で恐縮だが、我が家の次男も現在ラストスパート状態に入っている。 見たことがある方はご存知だろうが、昨今の中学入試の問題はとてつもなく難しい。アゴラの記事を読まれている方は社会でそれなり以上の活躍をされている方々が多いと思うが、大変失礼ながら、そうした方々でも数日勉強しただけで中堅以上の中学に合格するのはかなり難しいように思われる。 しかも、問題は必ずしも特殊な知識や受験のテクニックを知らないと解けないものではなく、例えば社会でも、憲法や産業別の貿易等、社会生活をする上での基的な知識を幅広く問う良問も多い。 こうして見ると、日教育水準は(少なくとも中学入試が一般的ではなかった私が子供の頃などよりは)格段にレベルが上がっているようにも思える。 一方で、「社会人としてこれだけは知っておかないと文字通り命に関わる知識」が初等教育から大き

    経済を脳死させないために「金利教育」の強化が不可欠だ - 磯崎哲也
    equilibrista
    equilibrista 2010/01/31
    四則演算は学校で教える。金利とは何か、という根本に触れないことこそが問題で、だから「預金課税でマイナス金利」などという馬鹿げた議論が生まれる。
  • 日銀は日本経済を救えるか?

    慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授/小幡績 不況に陥っている日経済に対して、日銀が無策であると、ことあるごとに批判される。ほとんどの経済学者、エコノミストは、日銀に対して批判的で、デフレを解消するために、穏やかなインフレを起こせと主張している。米国経済学者のポール・クルグマンが、日は、リフレ政策、すなわち穏やかなインフレを意図的に起こす政策を採るべきだと90年代末に主張したのは有名であるし、これと同じような主張を日の多くの学者が行っている。私は、これらの意見に反対である。なぜなら、インフレになっても、いいことは一つもないと考えるからである。 リフレ政策を主張する学者達の議論を整理しよう。インフレになると景気が良くなる理由は、まず、所得移転である。すなわち、お金を貸している人から、借金をしている人へ所得が移転する効果である。10億円を銀行から借りている企業は、インフレになり、価格水

    日銀は日本経済を救えるか?
    equilibrista
    equilibrista 2010/01/09
    長いなあ。そもそも高々日銀が何をしたからといって、我々の生活の全体が向上するはずもないことを思考の出発点とする方が、すっきりすると思うのだが。
  • 「紙のお金が無くなる日」は来るのか?

    池田信夫さんが書いた「デノミのすすめ」で、デノミとともに貨幣を電子マネーだけにして現金を廃止する提案が行われている。(ただし、文章の最後に隠し文字で「冗談」である旨が書かれているので、ご注意。) ツイッターでもこの記事にコメントさせていただいたのだが、140文字の制限の中で説明するにはややこしすぎるし、「磯崎さんの提案の変形版だ」と書かれているので、誤解が無いように補足をしておきたい。 この「全貨幣を電子マネー化したらどうなるか」という思考実験をすることは、「お金」とは何か、「資主義経済」とは何かを考えるのに非常に有用な教材になると考えられるので、単なる冗談として笑い飛ばしてしまうには惜しい。 確かに、日ほど「電子マネー」が普及している国はなさそうなので、世界で最も先に貨幣がすべて電子化されるのが日になっても不思議ではない気がする。 しかし結論的に言えば、10年後に「紙の新聞」が無く

    「紙のお金が無くなる日」は来るのか?
    equilibrista
    equilibrista 2009/12/11
    短期資金の大部分は既に銀行にある。電子マネーは決済の利便性の話であって、政府がすべきは、その安全性を確保するための仕組みづくり。匿名云々は需給が決めればよい。
  • 「ユニクロ悪玉論」の病理 - 池田信夫

    けさの城さんの記事を読んで、考えさせられました。「ユニクロやエイサーのような企業が、庶民の生活を苦しくしている悪の元凶ですよね」という類の「ユニクロ悪玉論」は、けっこう広く支持されてるんですね。後藤田正純氏のように「安売りを規制しろ」という政治家は多く、内閣府参与になった湯浅誠氏も公然と海外移転禁止論を主張しているので、民主党もそのうち言い出すでしょう。 こういう人々が錯覚していることを証明するのは簡単です。たとえばユニクロの海外生産を禁止したら、どうなるかを考えればいい。中国の工場の賃金は日の1/5程度らしいので、これをすべて日で生産したら、1000円のジーンズは5000円ぐらいになるでしょう。消費者は買わなくなるので、ユニクロの売り上げは落ちます。そうすると経営が苦しくなって従業員は解雇される――これによって、いったい誰が得をするのでしょうか。 彼らの錯覚の原因は、内外価格差を「デ

    「ユニクロ悪玉論」の病理 - 池田信夫
    equilibrista
    equilibrista 2009/12/10
    狭義のデフレスパイラルとは、価格が下がるだろうことを理由に、消費や投資を控えることであって、買ってるんだから嬉しいに決まってる。僕だって着ている。
  • デフレと相対価格 - 池田信夫

    毎月送っていただく『文藝春秋』の1月号に「ユニクロ型デフレで日は沈む」という、浜矩子氏と荻原博子氏の対談が出ている。内容は以前の浜氏の記事と同じで、それに荻原氏が相槌を打っているだけだが、こんなお粗末な対談が日の代表的な総合雑誌に堂々と出るのは困ったものだ。 そもそもタイトルの「ユニクロ型デフレ」というのが名辞矛盾であることに彼女たちは(編集者も)気づいていない。デフレーションというのは一般物価水準の下落であり、ユニクロの価格が下がるのは特定の財の相対価格の変化である。前者は通貨供給量によって起こる貨幣的な現象だが、後者は実体経済の変化で、両者はまったく原因が違う。 2000年代初頭から日で起きている物価の下落は、この二つの原因が複合したものと考えられる。両者を分離することは困難だが、直近でいえば、野口悠紀雄氏も指摘するように、原油価格が1年で半減した影響が大きい。またドル安と、それ

    デフレと相対価格 - 池田信夫
    equilibrista
    equilibrista 2009/12/09
    随分と難しい説明だが、「ユニクロ型デフレ」が一般的な物価の話だとしても、実質金利の上昇をイノベーションが支持するというだけの話だ。
  • 今、本当は「非常に魅力的な相場」なのかも!?  ―前田拓生

    ドバイショックによって円高が進行し、日経平均は大きく下落しています。まぁ、日だけが安いわけではなく、どの国も“似たりよったり”の株価水準ですから、ここから投資をするのであれば、最も成長率の高そうな国(例えば、中国やインドなど)を選び、その国の産業から銘柄を選ぶのが効果的なのかもしれません。そうすれば「将来」ここで仕込んでおいた株式等が「大輪の花を咲かせる可能性が高い」ので、現在の低水準の株式市場は「非常に魅力的な相場である」と考えることもできるわけです。 つまり、難しい時代ではありますが、逆にいえば、このような時こそチャンスであり、勉強の甲斐がある時代ともいえます。 とはいえ・・・ 成長率が高い国、例えば、BRICs諸国などから選ばないと「ダメ」ということではなく、場合によっては新興国よりも「綺麗で大きな花を咲かせてくれる“株”」が日市場にもあるかもしれません。将来のことですから、これ

    今、本当は「非常に魅力的な相場」なのかも!?  ―前田拓生
    equilibrista
    equilibrista 2009/11/29
    なんだこれ。投資先を選ぶのに「最適な時期」など存在しない。デリバティブズを使うだけで、タイミングが簡単に取れるはずも、ベータ中立が簡単にを実現できるはずもない。成熟した経済にも、リスクプレミアムは存在
  • アゴラ:国は「ストック」も考えた総合的なリストラ策を策定するべきだ - 磯崎 哲也

    「国の借金が864兆円」といった報道を見ると、「国民一人当たり700万円もの借金・・・。オレんちは4人家族だから2800万円もの借金をこれから税金で返していかないといけないのかー。」と、暗澹たる気持ちになっている方も多いかも知れない。 しかし、普通にビジネスや投資をやっている人は、「国が借金するって、そんなに悪いこと?」と思ったこともあるのではないだろうか。一般企業では借入があるのが普通だし、むしろ借入をせずに自己資が大きすぎると資効率が悪いと投資家に怒られるくらいだ。もちろん、借入金を全額返済してゼロにする必要も必ずしも無い。 「こんなに借金や赤字があるのは、民間企業ならとっくに潰れている。」という話も、「政府は民間企業とは違う。いざとなれば増税で国民から取り返せるのだから。」「いや、国債は子孫の負担になる。」といった議論も、一般の企業の感覚で考えると、抽象的で今ひとつ話が噛み合って

    アゴラ:国は「ストック」も考えた総合的なリストラ策を策定するべきだ - 磯崎 哲也
    equilibrista
    equilibrista 2009/11/29
    民間と違い、国の投資はバランスシート戦略であってはならない。外部性のある投資の総量は、時間の経過とともに変化するはずだ。
  • 医療保険のカラクリ - 岩瀬大輔

    ライフネット生命保険代表取締役副社長/岩瀬大輔 拙著「生命保険のカラクリ (文春新書)」(文春新書)は、発売後1週にて増刷決定、その後も版を重ねた。多くの経済紙やブログで好意的な書評をいただくなど、「生保のは売れない」という出版業界の定説を覆す売れ行きを見せており、大変有難い限りである。 刺激的なタイトルとは裏腹に、業界人からすれば「当たり前」のことしか書かれていないこのが、一般読者の目に新しく映ること自体、これまで生保業界が売り手と買い手の間に存在する「情報の非対称」を守り続けることに成功し、それを収益の大きな源泉としてきたことを表している。 エントリーでは、我々の生活に大きな影響を与えるにもかかわらず、紙面の制約ゆえに同書では十分に書ききれなかった、もう一つの話題について論じたい。 保険会社の熱心なPR攻勢の結果、いまや伝統的な死亡保障を抜いて圧倒的な国民的人気を得るに至った、民

    医療保険のカラクリ - 岩瀬大輔
    equilibrista
    equilibrista 2009/11/26
    保険料の内訳が、プロフェッショナルでさえ「と考えられる」としか表現できない情報公開の稚拙さが、生命保険の最大の問題。
  • 「マイナス金利」政策はいかが? - 磯崎 哲也

    デフレ対策の話がネット上で盛り上がっている。議論はもう終盤に差し掛かり始めているかも知れないが、ここで、まとめを兼ねて「マイナス金利政策」を提案してみたい。 この構想は、もともとは週刊エコノミスト誌2002年2月5日号に掲載していただいた論文(跡田直澄教授のコメント付き)だが、現在でも依然として効果が期待できるアイデアだと考える。 ネット上での「マネーを増やしてインフレにしろ」という議論は、「マネーとは何か」という定義がなされずに行われていることも多い。 通常、金融政策で「通貨」と呼ばれるのは、日銀の発行銀行券や当座預金(マネタリーベース)と市中銀行の預金(マネーストック)のこと。「お金」というと、一般の人は「資産」というイメージが強いと思うが、マネーの供給側から見るとどちらも銀行の「負債」のことだ。 金融経済学の教科書を読むと、マネー(銀行の預金)が増えると自動的に財やサービスの取引が増

    「マイナス金利」政策はいかが? - 磯崎 哲也
    equilibrista
    equilibrista 2009/11/13
    実質金利や手数料に課税しようというのならまだ理解できるが、残高課税が人々に許容されるとは到底思えない。他の現金等価物との区別すら困難だが、いずれにせよ逃避可能と思われる資産、例えば金が暴騰するだろう。