逢坂の六人 (集英社文庫) 周防 柳 価格: 2080 円楽天で詳細を見る 【あらすじ】 和歌を始め言葉に対する感覚に秀でた紀貫之(きのつらゆき)だが、下級貴族で日の目があたらず、時に隠遁した坊主、喜撰法師と名乗って、都の東南(たつみ)の宇治に住む自分をこう詠んでいた。 「わが庵は みやこの辰巳 しかぞすむ よをうぢ山と 人はいふなり」 そんな折、真名と呼ばれる漢文で作られた今までの勅撰集に代わり、仮名で作られた「やまとうた」の勅撰和歌集が編纂されることになり、貫之は39歳にして選者に抜擢された。貫之はその任命に喜ぶと共に、和歌集への様々な想いが広がっていく。脳裏には12歳のころ、「あにくそ(可愛い我が子)」と呼ばれた貫之が、京と近江の国境にある逢坂山で過ごす母のもとで、平安初期を彩った歌人たちと出会った思い出が、脳裏によぎってくる。 桓武天皇の嫡流でありながら、薬子の変で朝廷に反乱を起こ