「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げ、GINZA SIXや東京ミッドタウンなど、全国50店舗以上に直営店を展開する中川政七商店に、初めて創業家以外の社長が誕生した。元社長秘書。13代中川政七の側でそのカリスマ的な経営手腕を見てきた新社長は、いま何を守り、何を変えようとしているのか。 町へ出て、ぶらぶらとお店を見てまわる。ふと、開放的で清潔感のある店構えに目がとまる。あ、素敵。ちょっと入ってみよう。 お、天然素材のアームカバーがある。欲しかったけど化繊のものばかりで気に入るものがなかったんだった。わあ、こっちの猫はとってもキュート。九谷焼の豆皿、猫好きの彼女が喜びそう。 いくつかの心惹かれる出合いがあって、お店の看板をふと見ると「中川政七商店」と書かれている。そんな経験を何度か繰り返し、その古風な屋号は、すみずみまで気配りの行き届いた暮らしの道具が並ぶ、安心できるお店として記憶される