ここは、とあるチェーン展開している焼肉店・牛丸。 クリスマスイブの今日は、いつもよりも客が少なく、空席がちらほら見える。 そんな中、肉の焼ける音に混ざって、高い声が店内に響く。 「あーあ、まさかイブにケンタと二人で牛丸にいるとか、ありえないんだけど」 「は?だって俺のこと呼んだの、お前じゃん」 「だって、ケンタ暇そうだし」 「暇じゃねーし」 「え?なんか予定あったん?」 「ないけど・・・」 「じゃあ暇じゃん」 「お前もな」 「お待たせしましたー、牛タンねぎてんこ盛りでーす」 「あ、私牛タン好き!早く焼こっ!」 「焼き肉って、なんでこんなに幸せになるんだろうねー?」 「さぁ・・・」 「私、焼き肉大好き!」 「ふぅん・・・」 「何でケンタと一緒なんだろ?」 「しつけーな、自分から誘ったんだろうが」 「でもさ・・・ミカは先輩と温泉行ってるんだって。いいなぁ。ロマンチックじゃない?温泉。」 「あの