「ねえねえ、きいてよ次郎さん、もう信じられないわ! アタシの従弟が司法試験に受かったんだけど、就職できないのよ。ううん、嘘じゃないの、ホントの話よこれが。一生懸命に勉強して合格したのに、働き口がない、せっかく弁護士になったのに! 一体、どんな事になっているのかしら、この国は…」。 いやあ、ビックリしましたヨ、この話、いえいえ、本当なんです。何でも、年間、約2000人くらいが司法試験に合格して、司法修習という研修を受けて、その後弁護士になるてェ訳ですが、その花の弁護士になっても就職できないなんて、お局じゃないけれど、一体、どういう事でしょう。 「可哀想なんてもんじゃないわよ。聞けば、普通の学生より就職率が低いらしいの。それで、タダでもいいから、どこかの法律事務所に入りたいって、探すんだけど、当の法律事務所も中々大変らしくて、募集も無いんだって」。 お局も、従弟を心配してますが、どうにもなりま