高校2年の冬だった。もう5年も前。 初めて会ったその日にアドレスを交換して、3日後の夜、彼女と初めて電話をした。 話は尽きずに、でも電話料金を気にして、お互いかけ直しながら朝まで話した。 やっと巡り会えた気がした。小さい頃、母親の胸に抱かれていたような、そんな安らかな気持ちになることができて、 そのとき僕は運命を信じた。それは偶然じゃなくて、必然だと確信した。 その2日後、初めて会ってから5日後、学校が終わってから教室で暇をつぶして、 彼女が部活が終わるという時間に、電車で彼女の学校の駅へ迎えに行った。 改札まで友達と一緒で、すごく元気でさばさばしていて、電話のイメージとは違った子だった。 でも二人でボックス席に向かい合わせに座って、会話が止まった瞬間に、それが緊張のせいだとわかった。 自分の気持ちと彼女の気持ちが手に取るようにわかって、泣きそうになった。 彼女の住む駅は、店もほとんどない
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