この時期、毎日のように冷奴を食べている。てきとうに冷蔵庫にある薬味をのせるか、面倒ならのせもせず、醤油をかけて。で、うまいな〜とは思いつつ、特別ありがたがるということもなく、どこか漫然と食べてしまっている。 けれども、豆腐ってよくよく味わえば情報量の多い食材だ。たとえば醤油をかけずにそのまま食べて、自分のなかからどれだけ感想が絞り出せるだろうか? そんなことが気になった。 そこで、「調味料をかけないプレーンな豆腐」を起点に、1品ずつじわじわと味覚の情報量が増えていくような構成の、6品の料理を用意した。そのグラデーションを含めてゆっくりじっくり味わうことで、なにか気づくことがあるんじゃないだろうか? それぞれ自宅にいる酒の穴のふたりが同じものを用意し、オンラインで同時に味わいながら、感想を言い合う晩餐会を開催してみた。 日常的な生活の中にぽっかりと現れる「今ここで乾杯できたらどんなに幸せだろ