大森氏: だから、それまでの作品は「心霊ドキュメンタリー」ですよね。 ──心霊ドキュメンタリー。それはどういうことでしょうか? 大森氏: 例えば僕がプロデューサーを務めた『イシナガキクエを探しています』では冒頭に「この作品はフィクションです」という但し書きが入るんですが、以前の作品は、「あくまで本当である」という体がとても大事で、フィクションだとわかってはいてもそれを絶対に言わないという「お約束」の強いものが多かったんですよ。 それが2021年か2022年ごろから、『フェイクドキュメンタリーQ』のように、冒頭から完全にフィクションだということが打ち出されていて、その上で楽しんでくださいね、という提供のされ方のものが徐々に増えてきたんです。 ──それまでの作品は「本当にあった」という体が大切だったのが、現在はウソだとわかった上でのめり込めるような作品が増えてきたんですね。 大森氏: そうです