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ブックマーク / nix-in-desertis.blog.jp (12)

  • nix in desertis:2022カタール・ワールドカップのグループリーグに見る世界史

    ブログの恒例企画なので。2018年の。 グループA(オランダ・エクアドル・セネガル・カタール) 関係が非常に薄そうな4ヶ国に見えるが,実はセネガルにある負の世界遺産ゴレ島をオランダが使っていた時期がある,つまり奴隷貿易という意外な接点がある。ゴレ島は17世紀後半に英仏と三つ巴で取り合いとなり,最終的にフランスが対岸のセネガルとともに占領した。なお,黒人奴隷貿易の輸送数ではポルトガル・イギリスが圧倒的に多く,次いでフランス,4番目がオランダである。オランダに黒人奴隷貿易当事国のイメージがあまり無いかもしれないが,17世紀の時点ではポルトガルに次ぐ主要国であった。18世紀に入ってから英仏が急速に輸送量を増やし,オランダを抜き去っていく。ゴレ島がフランス領となったのはその端緒である。他はちょっと見当たらなかった。ロイヤル・ダッチ・シェルがカタールの油田開発にかかわってたりしないかなと思って調べ

    esbee
    esbee 2022/11/26
    教養やなあ
  • nix in desertis:ゴヤとマネという様式分類上の困難を高校世界史でどう扱うか

    久しぶりの高校世界史深掘りシリーズ。 言うまでもなく,様式史とは同時代または後世の人間による整理である。ゆえに画家個人を必ずどれかの様式に入れないといけないわけではない。実際に,どうにも分類しがたい画家は存在する。しかし,専門家や好事家はともかく,一般教養や高校世界史のレベルだと,有名な画家をどこかしらのグループに入れることが要請される。この画家は一人一派なので型にはまらないのです,という説明を通すのは難しい(なぜ難しいのかわからないという人はすでに世間の知的水準や感覚から遊離している自覚を持つべし)。どこのグループにも入らない理由の説明をしようものなら,世の中には一般教養として求められるものが無数にあるのだから,込み入った事情を把握するくらいなら別のものを学んだほうが効率がいい,という反応をされてしまうのが常である。これは知っていてほしいと思う側にも望ましくない状況で末転倒である。だか

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    esbee 2021/12/15
    ワハハ『この画家は一人一派なので型にはまらないのです,という説明を通すのは難しい(なぜ難しいのかわからないという人はすでに世間の知的水準や感覚から遊離している自覚を持つべし)』
  • nix in desertis:ワクチン(モデルナ製)接種2回目の記録

    Twitterで3時間おきくらいに報告していたものを,補足してまとめておく。 準備:解熱剤(1回2錠でイブプロフェン150mgのもの)・ポカリスエット1.5L・うどん6玉・オールブラン+牛乳・冷えピタ1箱(6枚)。いずれも役に立ったので事前準備はほぼ完全に正解。しいて言えばポカリは早々に尽きたのでもう1あってもよかったかも。また後述する事情でオールブランはほぼべず。また,ワクチン摂取したのは木曜日の午後で,金曜日はあらかじめ有休にしておいた。3連休とあわせて4連休だが,むしろ体調回復に費やされる気はしていた。 接種後3時間経過:熱は平熱の36.3度。まだちょっと腕が痛いだけ。今のところは1回目より症状が軽いくらい。腕の痛みに関しては最後まで1回目よりもかなりマシだった。1回目は接種後の丸2日間ほとんど腕が上がらない状態だったので。それはそれとして,左利きの人には同意してもらえると思うの

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    esbee 2021/08/09
    自分と妻は一回目腕の腫れぐらいだったが、副反応ひどい人はひどいんだよな。二回目どうなることやら
  • nix in desertis:最近読んだもの・買ったもの(マリー・アントワネット関連作品2つ)

    esbee
    esbee 2021/08/07
    タイトルうまいなw気になる『悪役令嬢に転生したはずがマリー・アントワネットでした』
  • nix in desertis:いっそのこと今度は夢女子の日本美術史展をやってほしい(「日本美術の裏の裏」展)

    サントリー美術館の「日美術の裏の裏」展に行っていた。所蔵品展であるが,だからこそキャプションと展示構成で引きつけようという努力と創意工夫がこらされていて満足度は非常に高かった。所蔵品展だったからこそ写真撮影が自由だったのも良い。 展覧会タイトルの通り,普段に比べると随所にかなり遊びが入っていて,展示物もネタに走ってかなり珍しいものを放出していた。サントリー美術館の所蔵品展はかなり行っていて有名どころは概ね見ているので,だから一つ前の所蔵品展は回避していたのだが,今回の所蔵品展は初めて見たものも多かった。そういう棲み分けだったのだろう。展示室に入ると,円山応挙の「青楓瀑布図」がお出迎え。展示室が現実の滝の水しぶきが飛んでいるかのように飾り付けてあった。一種のインスタレーションでつかみはばっちりである。何枚かの屏風を挟んで,ミクロな調度品のゾーンへ。「ちひさきものはみなうつくし」という『枕草

    esbee
    esbee 2020/12/16
    同人誌文化は昔からあったんやね『500年後に自分の妄想を晒されることになろうとは作者は全く思ってなかっただろうが,「大丈夫だぞ,末裔も同じことしかやってないから」とあの世に向かって伝えてあげたくもなる』
  • nix in desertis:稀勢の里引退に寄せて

    多くの好角家がそうだと思うが,稀勢の里については言いたいことがありすぎて全くまとまらない。一言で言えば,これほど好角家の気持ちを振り回し続けた力士は稀有,あるいは空前絶後ということである。かく言う私もその一人で,この記事を書くためにブログ内検索をかけたところ,「稀勢の里」というワードを使った回数は約300回にも上っていた。 まず,彼の力士人生を振り返ることにする。稀勢の里は出世が早い力士と言われるが,中卒の叩き上げとしては,という前提条件がつく。そのため,若くして出世したという方が正確になる。2004年,17歳9ヶ月での十両昇進は貴乃花(当時は貴花田)に次ぐ史上2位の記録。その後も前頭上位定着までは早かったのだが,その後が非常に長かった。上位には勝つのに下位に取りこぼす,肝心の大事なところで落とす,空気を読まないところではなぜかめっぽう強いとは散々に言われており,人はガラスのハートなのに

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    esbee 2019/01/31
  • nix in desertis:不安・死・性愛の画家

    都美のムンク展に行ってきた。前にムンク展があったのは2007年のことであるから,約11年ぶりの東京でのムンク展ということになる。もっとも,図録には「回顧展というべき規模のムンク展は,日では20年ぶり」というようなことが書いてあったので,11年前のものはカウントされていないらしい。確かに《叫び》が来ておらず,画業の全てを俯瞰するというよりも《生命のフリーズ》の装飾性についての展示になっており,正直よくわからなかったのが当時の感想である。まあ,よくわからなかったのはキュレーション半分,当時はまだあまり詳しくなかった自分の知識の足りなさ半分というところだろう。 そこへ行くと今回の展覧会は完璧で,約100点ながら,ムンクの画業をちゃんと追うことができる構成になっていた。代表作も《叫び》は当然のこととして,《不安》《マドンナ》《吸血鬼》と勢揃い。来ていなかったのは《思春期》くらいではないか。ムンク

    esbee
    esbee 2018/12/25
    ムンクという画家について。そうか、今日はクリスマスなのだな……
  • nix in desertis:最近読んだもの・買ったもの

    esbee
    esbee 2018/05/10
    気になる『『だがしかし』9巻。 → 駄菓子界最大の問題,きのこたけのこ戦争に切り込んだ野心作』
  • nix in desertis:すぱっと切れた美しさ

    サントリー美術館の寛永の雅展に行ってきた。寛永文化と言えば桃山文化と元禄文化の間にある文化で,両サイドとも豪華絢爛であるが,その間で清新な綺麗さを目指した文化であった。桃山文化は戦国大名の権威を示す豪壮さ,元禄文化は上方の商人の景気の良さを示したものであるが,寛永期も別に不景気だったわけではない。文化の中心は桃山と元禄もそうであるように上方であり,織豊政権に支えられて復活してきた天皇を中心とする公家の文化と戦国の遺風が加わり,さらに世の中が平和となって落ち着きを取り戻した社会が豪華とは違う美意識を志向したという複雑な潮流によって,寛永文化は発展していったのである。その意味で特徴を一言で言い表すのは非常に難しく,あえて言えば新時代の到来を象徴するような「清新な綺麗さ」と表現するのがよかろうと思う。 寛永期を代表する文化人として展でピックアップされていたのが,後水尾天皇・小堀遠州・野々村仁清

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    esbee 2018/04/28
    美しさと歪さが入り混じった魅力がある『「白釉円孔透鉢』
  • nix in desertis:私的相撲用語辞典(4)小技・立ち合い編

    (3)から。(4)で終わると言っていたな。あれは嘘だ。短い(5)が完結編です。 ・引き付け 相手と組んだ際に,猛烈な力を入れて相手のまわしを引っ張り,自らの身体と密着させたり,つったり(次の項目)したりすること。相手と自分の身体が密着すれば,より力を入れやすくなるので寄りやすいし,投げ技や足技もかけやすくなる。しかし,当然相手からしても同じことが言えるので,投げ返されたり,足技によるカウンターに注意が必要。対戦している両者が,二人とも寄りに自信がある場合,互いに有利な体勢で寄ろうとして同時にひきつけることがある。これを「引き付け合い」と呼ぶ。膂力十分な力士同士のがっぷり四つからの引き付け合いは,これ以上見応えがあるものはないというくらい見応えがあるので,名勝負になりやすい。 ・吊り(つり出し) 相手を引き付けてから空中に持ち上げる技を吊りといい,そのまま土俵の外に出す決まり手を吊り出し(つ

    esbee
    esbee 2017/11/13
    相撲について、白鵬がなぜ批判されてるのか(立ち会いの変化・かちあげとか)とかよくわかってなかったんだけど、これでようやく理解できた。相撲における強力なコンボを発見した、とかおもしろいわ
  • nix in desertis:岩手旅行記(後編)

    15日:遠野〜焼走り熔岩流〜八幡平 この日も早めに起きて朝後,早めに出発して遠野へ。遠野行きに関しては同行者二人に「あそこ行って何するの?」と言われていて,私自身「様々(『咲-Saki-』『東方』etc.)な作品の元ネタ巡礼的なチェックポイントやから(震え声)」と返事していたわけだけれども,着いてみるとなかなかコンテンツ力が高かった。まず単なる妖怪押しというよりは「妖怪が出てもおかしくないような昭和前期頃の日田舎」押しに切り替えているのが正解。そしてそのイメージの塗り重ねは成功している。たとえば以下のような。 古い日家屋の縁側で蝉の鳴き声を聞くというミッションをこなしたのでこの夏はもう終わっていい。 pic.twitter.com/cURyKXqyDn — 頬付 (@hoozuki37) 2017年8月15日 どこを回ったらいいのか今ひとつわかりづらいという欠点も自覚していて,とり

    esbee
    esbee 2017/08/29
    遠野のカッパ淵では有料でカッパ釣りが出来るそうな「無から有を生み出す観光の工夫とはこういうことかと変な感心をしてしまった。」まっことその通りやな
  • nix in desertis:キリエ・エレイソン(2) −魔法少女まどか☆マギカの私的解釈・感想

    『Fate/zero』1巻のあとがきで,虚淵玄が「エントロピーの増大でどうせこの世は終わってしまうというペシミズムのせいでバッドエンドしか書けない」とか言っていたときは,正直何いってんだこいつとしか思えなかったのだが,今ならばこのスケールで考えてればそりゃね,とは思えるようになった。 以下,ネタバレ全開。まず,いろいろ解釈の分かれているらしい12話の自らの解釈を提示し,前回のキリスト教的解釈がどの程度ネタで書きどの程度マジで書いたか開陳した後,適当に感想を述べ,最後に「それだけはないだろう」と思った解釈にだけ少しだけ反論して締めることにする。 虚淵の新しいものを見せる,というのは全くの嘘で,作は最初から最後まで,あくまでも「虚淵と,彼の周囲に存在した作品群の集大成」であった。一つ一つの要素を分解していけば,『Fate/stay night』に『鬼哭街』,果ては『Stein's Gate』

    esbee
    esbee 2011/04/27
    『理不尽からの魂の救済』という宗教の役割かー。膝を打った。何故気づかなかったのか・・・クヤシス/科学はHOWは教えてくれるがWHYは教えてくれない以上宗教はなくならないし必要
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