25歳の夏にアメリカへ行くことが決まり、さて、向こうに渡って周りの人間と旨く意思の疎通ができないとして、何が一番辛いだろうかと自問しました。それは、自分の英語力不足に因るものなのか、あるいは言葉を媒介にして意思の疎通を図る際に一般的に存在すると思われる障壁に因るものなのか、その区別が付かないことだろうと想像しました。 原因が前者にあるとはっきりしていれば、打つ手は幾らでもあります。後者については、日本人同士でも、意思の疎通が旨く行かず、言葉が心から離れたところで空回りしてしまうことがよくあります。時間に委ねて沈黙するか、相手に対して構えた自分の姿勢に無理があるのか、もう少し相手に感情移入し、想像力を巡らすことで自分の言い回しを変えていくのか。考えるべき方途は全く異なるものになります。どちらとも分からず、ただ意思が旨く通い合わないことで悶々とする状態が一番辛いように思われました。 そこで、「