ヒメスズムシソウが引き抜かれ、所々に穴(中央左寄り)が空いている=7月22日 花巻、遠野、宮古の3市にまたがり、花の名山として知られる早池峰山で、高山植物の盗掘が後を絶たない。個人的な収集や売買が目的とされ、今年は東北で唯一自生していた絶滅危惧種ヒメスズムシソウなどが標的になった。近年は登山アプリの普及で、希少植物の位置情報がインターネット上で拡散。手軽な写真投稿が、思いがけず犯行を助長している恐れがある。(北上支局・江川史織) 絶滅危惧種を根こそぎ「ショックで言葉出ない」 「がくぜんとした。ショックで言葉が出ない」。花巻市自然公園保護管理員の八重樫理彦さん(50)は肩を落とす。早池峰山の主要ルート、小田越コースで7月、高山植物の盗掘が相次いで発覚した。 茂みの中から芽を伸ばすヒメスズムシソウ=7月11日、早池峰山(八重樫さん提供) 一つは、中腹の登山道脇に生えていたヒメスズムシソウ。茂み