大学入試センターが2023年6月に公表した「令和5年度 大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書」によると、生物の難易度が“不適切”と評価されるなど、依然として物議を醸している「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」。 共通テストが大学入試センター試験(以下、センター試験)と大きく異なる点は、問題文の長さや、架空の人物を登場させる場面設定にあります。 これらの点について、2023年度の「世界史B」の問題を解いてみてわかった、共通テストの致命的な問題について取り上げます。 無駄に長い問題文の多くは“読み飛ばしても”問題なかった? 2023年度実施の本試験「世界史B」の問題を解いてみたところ、相変わらずセンター試験と同様、重箱の隅をつつくような知識を問う問題が大半でした。さらに「これが思考力を問う新タイプの問題か!」というものは残念ながら少なく、むしろ目立ったのは、いわば無駄な説明文や場