MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 医療事故への対応が何年にもわたり議論されてきた。医療現場で何が起こったか知りたいと思う遺族に対して、裁判では答えが出ないどころか双方に深い傷を残して終わることが多かった。そこで裁判ではない方法も含めあらゆる解決法が模索されてきた。 ところがいよいよ大詰めを迎えた最終案を見て驚愕した。いつの間にか多大な予算と人と時間を必要とする「火事場の焼け太り」のような制度が作られようとしていたのである。 しかも裁判を誘発するような時限爆弾も仕込まれていた。いったいこれは何のため、だれのための制度なのだろうか。 まず現在の日本での死の扱いを知ってほしい。日本は先進国でまれに見る死因不明社会である。 いま日本で人が亡くなると、亡くなった場所が医療機関だったら問題にならない。病院外でもかかりつけ医がいて予想された死の場合は、その死から24時間以上経っていても死亡診断書
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