関西、山陰を経て、今、九州にいる。鹿児島では『維新ふるさと館』が面白かった。薩摩の近代史が明治維新への動きと密接に繋がっていることは知っているつもりだったが、ここを訪れると、いかに多くの優秀な人物が当地から輩出したかということに改めて驚かされる。そして、鹿児島の人たちが、今日もそれを誇りに思っていることも、手に取るようにわかる。 鹿児島の人々が誇りに思っている偉人は、西郷隆盛、大久保利通、東郷平八郎ほか数あるが、その中の一人が島津斉彬(なりあきら)。1809年生まれの島津家の殿様で、薩摩藩11代目の藩主だ。先見の明に優れ、外国の出来事にアンテナを張っていた。いや、外国の出来事にアンテナを張っていたから、先見の明があったというほうが正しいだろう。鎖国中の日本でアルファベットを学び、たとえば、1840年のアヘン戦争で中国が英国の餌食になった経緯なども詳しく知っていた。だから、国内で争っている暇
『バガボンド』『リアル』の連載を続ける傍ら、井上雄彦は一歩前へと踏み出した。世界的な建築家のアントニ・ガウディから創造の“種”を見つけるべく、スペイン取材に出かけたのだ。マンガ家・井上雄彦は今何を考えるのか、その思いを尋ねた。 バスケットボールマンガの金字塔『スラムダンク』で一躍人気マンガ家となり、現在連載中の『バガボンド』『リアル』でも多くの読者の心をつかんできた井上雄彦。トップをひた走ってきた男が、その表現をさらに深化させるために、スペインの地へと旅立った。サグラダ・ファミリア大聖堂、カサ・ミラなどの建築物で知られる建築家、アントニ・ガウディの人間像に迫るのが目的だ。 ここ数年の井上は、個展『井上雄彦 最後のマンガ展』や、東京都現代美術館のエントランスに描き下ろした巨大壁画、自らが考える親鸞を描いた屏風絵など、マンガ家の枠を押し広げる活動を続けている。そして、今回のバルセロナ取材。なぜ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く