2014年ブラジルワールドカップ、日本の第2戦 1人少ないギリシャを相手に齋藤学の出番が来るのではないかと思われた 齋藤なら引いて守る相手をドリブルで引き剥がすに違いない、と だが出番は来なかった ミックスゾーンに現れた齋藤は青白く見えた 記者たちが囲んで話を聞くといつもどおり丁寧に答えていたが もちろん元気はなかった 心中を察して記者たちも静かに離れた 捲土重来をめざした2018年ロシアワールドカップだったが 齋藤は2017年に右膝前十字靱帯損傷で全治8カ月の大ケガを負ってしまう 失意の中でのフロンターレ移籍 その後も一度は復帰したものの万全とは言いがたい 齋藤にとって本当に苦しい時期が続いているだろう 話を聞いている間も揺れる胸の内が見えるようだった だがそんな時期でもこうやってきちんと言葉にできるのは 齋藤が前を向き続けているからだとも知ることができた 28歳はもうベテランかもしれな