旭化成・浅野敏雄社長(62) 《旭化成が1960年から売る「サランラップ」は、食品包装用ラップの市場で売り上げトップを走り続ける。昨年6月に、箱の色を定番だった黄色から、緑、赤、青の3色に変えた。》 変更後しばらくは、消費者だけでなく、役員の家族からも「サランラップが店に売っていない」と、お叱りを受けました。でも、昨春の消費税増税後の売り上げ減も落ち着き、新デザインも浸透してきたので、2015年度は売り上げを1割以上増やせるとみています。 多くの方に愛用されている理由の一つは、素材の力だと考えています。原材料の「ポリ塩化ビニリデン」という合成樹脂は、普通のポリエチレン製ラップよりも酸素を通さず水分を保つ力が強く、食品の鮮度が落ちにくい。実は、箱にも細かい工夫をしています。左右どちらの手に持ってもなじむように、底面にエンボス加工をつけました。刃の形も、ラップが途中で破れにくいよう改良しました