西暦2XXX年。 一向に減ることの無いスペースデブリ(宇宙ゴミ)に対処するため、100年の時を経てフィギュアによる宇宙清掃が再開された。 『フィギュアノーツ計画-Ⅱ』である。 俺の名はフィグマ。この危険なプロジェクトに志願した、世界唯一のフィギュアだ。 ある思いを胸に……。 《スポンサーリンク》 1.捨て石 2.ある思い 3.再び 1.捨て石 俺は宇宙の清掃業、フィギュアノーツ2号。 コードネームは『フィグマ(Figma)』だ。 今さら説明するまでも無いが、軌道上に存在する無数のスペースデブリを清掃するのが俺の仕事だ。 現在、NASAが正式にカタログ登録し地上から追跡している直径10㎝以上のデブリは約4万個。 100年前の2倍に増えたのだ。 雇用期間は3年契約。 時給は神奈川県の最低賃金、1,040円だ。 俺は無重力訓練もそこそこに、高度2,000㎞の地球周回軌道に放り出された。 フィグマ