編集者、写真家として、多様な切り口から、多くの企画と書籍を生み出してきた都築響一氏。その都築氏は、アートとデザインについて、濃くておもしろい2冊『現代美術場外乱闘』、『デザイン豚よ木に登れ』(ともに洋泉社)を上梓されたばかり。常におもしろいものを求めて活動を続ける都築氏に、その企画やアイデアを生み出すためのヒントをうかがった。 ――アイデアや企画というのは、本や雑誌に限らず、さまざまな仕事の分野で求められます。都築さんの仕事は、広範な分野に及んでいますが、アイデアや企画というのはどのように生みだしているのか、その発想をお聞きできればと思います。 都築氏■よく言われるのはね、どうしてそんなにすき間ばかり狙って本を作るんですかということなんですけど、僕はまったくすき間狙いじゃないんですよ。最初にやった『TOKYO STYLE』(※1)は、独り暮らしの人の部屋の写真集ですけど、東京に住んでいる人