MSN ジャーナルの記事「『ベルヌーイの定理』説に挑む」、は科学面の記事としては異例ともいえる反響があったそうである。飛行機の翼になぜ揚力が発生するか、ということが話題であった。「飛行を理解する」の共著者デビッド・アンダーソン氏は、通常使用されている「ベルヌーイの定理」による説明は間違っているという。編集部に寄せられた意見は、アンダーソン氏に反対と賛成の意見に二分されているらしい。前回に引き続き揚力の発生理由を考えたい。空気力学の理論が行き詰まるなか、人類は遂に気球で空に浮上するところまで話は進んだ。 この記事は、2001 年 7 月 3 日に掲載された『飛行機が飛ぶわけ―――「ベルヌーイの定理」説をめぐる論争を解く (1)』の後編にあたります。 ●飛行の原理の確立 どうすれば人は鳥のように空を飛べるのか。風まかせの気球では物足らないと考えた人々は、飛行の原理の研究を本格的に開始する。 飛