反復経頭蓋磁気刺激(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation: rTMS)療法は、変動磁場を用いて脳皮質に渦電流を誘導し、ニューロンを刺激することによって、低侵襲的に大脳皮質や皮質下の活動を修飾することができる技術であり、2017年9月に「薬物治療で十分な効果が認められない成人のうつ病患者」に対する治療法として承認されています。しかし、日本精神神経学会による反復経頭蓋磁気刺激装置適正使用指針(2023年9月改訂版)1)では、18歳未満の若年者にはrTMS療法を施行するべきではないことが明記されています。 現在、本邦では、「経頭蓋磁気刺激療法に関する施設基準」注1)を満たさない医療機関において、「発達障害に有効」であるとして保険外診療が行われているとの報道があります2)。 rTMS療法は、成人期うつ病における有効性・安全性を確認された臨床試験に