東京・渋谷の「MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店」が、「自由と民主主義」をテーマに開催していたブックフェアを、ネット上の「偏っている」といった批判を受けて一時中止した波紋が広がっている。安全保障関連法制の国会審議を受けて「民主主義本」の売れ行きは好調だが、類似のフェアを開く書店は客の受け止め方に神経をとがらせる。 東京都内の大手書店。店に入ると「ぼくらの民主主義」と書かれた案内が目に付く。棚に並ぶのは、作家の高橋源一郎さんの「ぼくらの民主主義なんだぜ」、坂井豊貴・慶応大教授の「多数決を疑う」……。沖縄関連のタイトルも多い。 安保関連法案の国会審議が始まり、関連本が売れ筋になった5月にフェアを始めた。店長の男性(35)は「客が求める本を並べるのが書店の役割」と話す。「なぜ偏った本を並べるのか」という苦情は2件来たが、見直すつもりはない。「本は著者が切り取った社会の一側面。全てが『偏っている