IPAでは、情報セキュリティ全般に関する事例や状況をまとめた書籍「情報セキュリティ白書」を2008年から毎年発行しています。本白書は、企業・組織のシステム開発者や運用者を対象に、情報セキュリティインシデントや攻撃の現状の把握、及び対策の実践に役立つ情報を提供すること、また、パソコンやスマートフォンを使用する一般の利用者に対しても、身近にある情報セキュリティ上の脅威への認識を促すことを目的に制作しています。 本白書が対象とする2015年度には、標的型攻撃により、日本年金機構から125 万件の個人情報が流出しました。また海外では、不正アクセスによる米国政府機関からの大量の個人情報流出、複合的なサイバー攻撃によるウクライナの大規模な停電など、社会の基盤となる情報やシステムを狙ったインシデントが相次ぎました。その他、インターネットバンキングの被害も後を絶たず、国内の不正送金被害は過去最悪となりまし