平成とは 第1部:時代の転機 (4)心のケアの時代 1993(平成5)年。精神科医の小西聖子(たかこ)(現・武蔵野大教授、63)は、東京医科歯科大に誕生した「犯罪被害者相談室」でカウンセリングを始めた。しばらく電話も鳴らなかったので、アメリカの被害者支援組織のマニュアルを読んでいると、事件後の症状にPTSDのことが書いてあった。 PTSD(Posttraumatic Stress Disorder 心的外傷後ストレス障害)は80年、アメリカ精神医学会の診断統計マニュアルに初めて登場した。きっかけはベトナム戦争。帰還兵の攻撃的言動など心の後遺症が社会に突きつけられた。 女性運動によって、性暴力被害の深刻さも明るみに出た。トラウマ体験をした人に、その体験が繰り返しよみがえる、不眠が続いたり怒りが爆発したり過覚醒になる、刺激となるものを回避するなどの症状が出て長引くことがある。そんなことが、知ら
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