(英エコノミスト誌 2011年7月25日号) 誰もが好きなように見える紙幣 最近、紙幣はあまり人気がない。金相場が7月18日に、米ドル、ポンド、ユーロ、円に対して過去最高値をつけたのを見るといい。 大西洋の両側で見られるゼロに近い金利や債務危機によって、投資家はリスク回避傾向を強め、各国政府がインフレによって債務問題から抜け出そうとしているのではないかと神経質になっている。 だが、このルールには1つ例外がある。スイスフランである。 右図が示すように、スイスフランは貿易加重ベースで見ると、外国人による銀行口座開設を阻止するためにスイスがマイナス金利を課した1970年代よりも強くなっている。 UBSのストラテジスト、マンスール・モヒウディン氏の見るところ、スイスフランは、オーストラリアドルやカナダドルと並んで、トレーダーや投資家が世界経済に対する自分たちの読みをヘッジするために使う「影の通貨」