http://www.asahi.com/paper/column20070715.html 書店にもいろいろあるが、作家の丸谷才一さんは二つに分けている。岩波文庫を置いている店と、置いていない店と。「そして前者が上だと思っている」と、本紙掲載のコラムで述べている。・・・ ・・・近ごろは、緑帯と赤帯の世代にケータイ小説の愛読者が急増中らしい。電話で配信される小説だ。素人ぽいのだが、人気作が本になるや次々と数十万部を売り、不況の出版業界を驚かせている。 私も少し前まで「岩波文庫を置いている店」が偉いと思っていた。 そして「買い切り」の岩波を、たとえ売れなくても我慢して仕入れるのが「一流」だと錯覚していた。 ちょっと気取った客がたまに来て、「岩波文庫はどこ?」なんて訊かれる事が良いと思っていた。 岩波文庫が店になくても売れなくても、「若者の活字離れ」はそう心配しなくてもいいような気がする。 (