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ブックマーク / brevis.exblog.jp (41)

  • プロジェクトを計画しすぎてダメにする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「日企業は、計画しすぎなんです。」——最近、ある外資系戦略コンサルタントから、こんなセリフを聞いた。いわゆるDXに関する話題の時だ。「計画して、それも細かく緻密な計画を立てて、石橋をたたくようにリスクを全て洗い出してから、はじめようとします。そして動き出したら、すぐ進捗率を問題にする。でも、そんなやり方では、イノベーションは動きません。」 たしかにまあ、日企業、とくに製造業は、まず計画ありきで動いていると言ってもいい。年度計画(いわゆる「予算」)、月度計画、小日程計画・・。建設業も、似たところがある。全体工程表、月間工程表、週間工程表、等々。現場に行くと、計画表は、必ず目立つ位置にはり出してある。 だが、新しいビジネスモデルを創出するような、イノベーティブな試みは、目指すべき目的地が最初から決まっている訳ではない。登るべき山の頂が明確なら、アプローチの経路を地図の上に引き、どこまで登っ

    プロジェクトを計画しすぎてダメにする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から
    fhvbwx
    fhvbwx 2021/07/20
  • 海外プロジェクトの質的変化と、成功体験の罠 : タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしが3年前に技術評論社から上梓した『世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書』は、製造業で働く若手エンジニアを主人公にした、ストーリー仕立てのである。基的な内容は、東大の大学院で教えている「プロジェクトマネジメント特論」の講義資料をベースにしているのだが、淡々とした記述のテキストなど、誰も興味をひかれないだろう。それにわたしは、対話形式の文章を書く方が、なぜか筆が進みやすい。 そこでこのでは、ある日突然、プロジェクト・マネジメントを急に学ばなくてはならなくなった若手技術者を、主役に立てることにした。それが、中堅製造業の製品設計部門に働くエンジニア、小川君である。彼の会社の社長は、出張先のとある新興国の企業経営者と意気投合し、共同でその国向けの製品開発プロジェクトをはじめることを、決めてくる。 しかしご承知の通り、製造業の組織というのは、営業・設計・生産技術・資材・製造・・とい

    海外プロジェクトの質的変化と、成功体験の罠 : タイム・コンサルタントの日誌から
  • システムズ・エンジニアリングとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    にはあまり知られていないが、欧米では確立され重視されている技術の分野がある。それは「システムズ・エンジニアリング」=システム工学である。 ・・と書けば、“何を馬鹿な”と思われる方が大半であろう。日にはシステム・エンジニア(SE)と呼ばれる職種の技術者が、少なく見積もっても十万人単位で存在する。それに、大学でもそれなりに教えているではないか。「システム工学」と名のつく学科だって、数十は存在する。それなのに、「あまり知られていない」などとは何ごとか! そう憤慨される読者諸賢に、それでは、一つご質問したい。貴方が学校で学ばれた「システム工学」の、代表的な教科書をあげていただきたい。これ一つ読めば、システム工学の基礎が大体分かる、読んでいない奴はモグリだ、というような定番の教科書である。システムとは何を指すのか、システムはどのように設計すべきか、設計手法は何があるのか、システムの分析や評価は

    システムズ・エンジニアリングとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 結果オーライのマネジメントでいいのか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    帰国した知人と久しぶりに会った。アジアの新興国で会社の経営陣の一員として働いている。日系ではなく純然たる現地企業だ。中堅規模でそれなりの業績も上げているらしい。知人の主な仕事はBusiness Development、すなわち事業分野の拡大と経営面の仕組み造りである。わたしも最近ずっと経営企画的な仕事をしているので、興味が重なり、いろいろな話を聞かせてもらった。 知人がその会社にヘッドハントされて着任したとき、真っ先に気になったのは、きちんとした中期的な経営の方針がないことだった。彼の会社は、その国の結構大きなコングロマリットの一部であり、子会社の位置づけだ。だが親会社からは、「何の指針も指示もなく、P/Lのボトムラインだけで管理されている」状態だったという。 P/Lとは財務諸表の『損益計算書』(Profit & Loss)の略称だ。損益計算書は一番上に売上収入が書かれ、その下に出費経費が

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  • なぜ、製造業のIT化が進まないのか? 〜お金をちゃんと投資しよう | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしが中小企業診断士の資格を取ったのは、もう20年以上も前のことだ。その頃、診断士の試験は「鉱工業」「商業」「情報」の3コースに分かれていた。どの試験を通っても、おなじ診断士の資格を名乗れる。わたしは情報系を選んだ。「情報」コースには、さらに専門試験科目が「流通情報」と「生産情報」の二種類あったので、わたしは「生産情報」を選んで試験を受けた。工場づくりをビジネスとするエンジニアリング会社に勤める人間としては、当然の選択であった。 ちなみに診断士試験に「情報」コースができる前は、「鉱工業」と「商業」の二種類しかなかった。これはちょっと不思議である。だって、まるで中小企業には製造業と流通業しかないみたいではないか(鉱業も入っているが、石炭産業の盛んだった戦後ならいざ知らず、鉱業にはほとんど大企業しか残っていない)。しかし、たとえば運送業にも建設業にも、中小企業はたくさんある。それなのに専門試

    なぜ、製造業のIT化が進まないのか? 〜お金をちゃんと投資しよう | タイム・コンサルタントの日誌から
    fhvbwx
    fhvbwx 2016/11/30
    "心あるITベンダー"ぜひ屏風から出していただきたい
  • プロジェクト・コミュニケーションのベーシック(2) ~ ドキュメント・インデックスを作る | タイム・コンサルタントの日誌から

    前回の記事「プロジェクト・コミュニケーションのベーシック ~ 情報のトレーサビリティを確立する」で、英語で言うCommunication Managementとは、日語的感覚でいう「コミュニケーションの管理」ではなく、むしろ『情報伝達のマネジメント』に近い、と書いた。だから、伝達のトレーサビリティ確保が大事になる、と。 今回はその続きである。だがもう一歩進んだあり方として、「ドキュメントのインデックス化」の話をしたいと思う。ドキュメントのインデックスとは何か? 簡単だ。それはプロジェクトが作成する文書・図面類をリスト化して、多少の属性を付加したものである。「ドキュメント・リスト」と呼ばれる場合もある。 なあんだ、そんなのならいつでも作ってるよ。そういって、ドキュメントが保存されているサーバのプロジェクト・フォルダから、ファイルのリストを印字して持ってくる人がいる。ファイル名の他に、作成日

    プロジェクト・コミュニケーションのベーシック(2) ~ ドキュメント・インデックスを作る | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 職人的であること、エンジニアであること | タイム・コンサルタントの日誌から

    ちょっと贅沢をして家族3人でお寿司をべに行った。ネタの新鮮さでは界隈で一番という店である。期待通りの、いや期待を超えた美味だったし、いつもは寡黙なメインの寿司職人さんが、珍しくいろいろ話をしてくれた。包丁の入れ方だけでイカはどれほど旨みが変わるか、雲丹は塩水保存とミョウバンを使ったものでは口どけが全く異なること、などなど。サンプルと実演を混ぜて教えてくれた。寿司職人の勤務時間や修業時代についても、語ってくれた。お盆の連休前で、リラックスしていたのかもしれない。 帰り道に、息子が感心したようにつぶやいた。「寿司職人て、なるのはやっぱり大変なんだね。時間も仕事もきつそうだし。でも、それだけ修行したら、あの人みたいな腕になるんだ。」就活が一段落したばかりの息子は、たぶん来年からの自分自身も重ね合わせて、感じ入ったらしい。「それに、あのイカの味の差! すごい技術だよね。」 ——技術じゃなくて、技

    職人的であること、エンジニアであること | タイム・コンサルタントの日誌から
    fhvbwx
    fhvbwx 2016/08/21
    元から日本の営業は技能職に近かったと思う/"お父さんの会社はさ、いろいろ問題はあるけれど"
  • ハラールとは何か、何ではないのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    結婚して間もない頃、米国の留学生寮に1年近くすんでいたことがある。主にアジア太平洋地域の各国から来た留学生や、米国の遠くの州から来た若者が一緒にすみ、キッチンは共同だった。独身者と、子どものいないカップルが10数組ずつ、キッチンをシェアする。お互い顔見知りになるから、ときどき招待し合って一緒に事したり、あるいは学期試験の終わったころにはキッチン全員が持ち寄りパーティを開いたりする。そういうときには、近くの同じスーパーから材を買ってきているはずなのに、ものすごくバラエティの大きな各国料理がそろい、楽しかった。 仲間の中には、パキスタンからきたイスラム教徒、インドやネパールのヒンズー教徒、タイやスリランカの上座部仏教徒もいる。だから、お互いの物のルールなどにも気を遣いながら、一緒につくったりべたりした。ヒンズー教徒の夫婦は厳格な菜主義で、鰹節のだし汁も使えない。だから昆布でだしを取っ

    ハラールとは何か、何ではないのか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 忙しすぎる人のための手短な処方箋 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「なんで1日は24時間しかないんだろう?」とはじめて思ったのは、大学3年生の秋だった。 朝から昼過ぎまでは授業。その後、ほぼ毎日、学生実験。なんとか夕方までに片付けると、すかさずサークルのあるキャンパスに移動する。それからサークルでイベントの準備。毎日9時ぐらいまでかかっていただろうか。それから外して家に帰る。家までは片道1時間半だ。帰宅してから、実験のレポート作成。化学工学の実験は、数字の計算量が半端でなく多い。だいたい寝るのは2時半か3時だった。そして翌朝6時半に起きる。これが毎日だ。今からは信じられないだろうが、当時の学校はすべて週休1日が当たり前で、土曜日も授業があった。 「ああ、1日が30時間、いやせめて27時間あれば、あと3時間は余計に眠れるのに」と切実に思った。そんな生活リズムは初めてだったから、まず胃腸がぶっ壊れた。昔から睡眠不足に弱いのだ。 そんな学生時代の自分に、誰か

    忙しすぎる人のための手短な処方箋 | タイム・コンサルタントの日誌から
    fhvbwx
    fhvbwx 2015/11/09
    ”タスク自体を見直して、大きすぎる時にはサブタスクに分解するとか、重すぎる時は誰かにまずヘルプを頼むという予備タスクを追加する、とかいった工夫が必要だ。転記型の方が、確実に見直しやすい。”
  • 顧客の顧客を知り、上司の上司になって考える | タイム・コンサルタントの日誌から

    『顧客の顧客を知れ』--これは、わたしの敬愛する大先輩である、経営コンサルタント・今北純一氏から、何年も前にうかがった教訓だ。自分の顧客が誰かは、誰でも一応知っている。顧客が何を望むか、そのニーズや要求も、直接・間接に伝わってくる。だが、顧客がなぜ、それを求めるかについては、必ずしも理解できていないことが多い。 しかし、顧客も、彼ら自身にとっての顧客からの要望になんとか対応すべく、いろいろ考え、悩み、そして動いているのだ。だから、『顧客の顧客』をよく知れば、自分の直接の顧客のニーズをつかむのに役立つ。たいていの人は、顧客の顧客までは考えた事がないが、そこまで視野と想像力を広げられるかで、競争力は大きく変わりうる。 たとえば、今北さんは自著「Carpe Diem - ビジネス脳はどうつくるか」(文藝春秋、2006)で、工場の立地問題について、こんな例をあげられている。鉄鉱石を産出する資源会社

  • 超入門:上手な工場見学の見方・歩き方 | タイム・コンサルタントの日誌から

    先週は、「生産革新フォーラム」恒例の工場見学会だった。生産革新フォーラムは中小企業診断士を中心とした集まりで、Manufacturing Innovation Forumという英語の頭文字をとり、略称『MIF研究会』とか『MIF研』ともよばれている(診断士の資格を未取得の会員もいる)。わたし自身、10年以上前からの古参の会員で、2年前には会員同士の共著で“JIT生産”を卒業するためのトヨタの真似だけでは儲からない」を一緒に出版した。 この研究会の特徴は、年に2回の工場見学をずっと実行していることだ。これが非常に面白く、また勉強にもなる。工場というのは、複雑で大きな、生産のためのシステムである。この「システム」は、製造のための機械設備と、人の組織と、収納する建物と、そして様々な情報系から成り立っている。その中を、製品や部品や資材が行き交っている。そして、どこにも必ずオペレーションの工夫が

    超入門:上手な工場見学の見方・歩き方 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • なぜなぜ分析は、危険だ | タイム・コンサルタントの日誌から

    「なぜなぜ分析」は、品質管理や労働安全管理などの分野で、よく用いられる手法だ。発生した問題事象の根原因を探るために、「なぜ?」「なぜ?」とくりかえして掘り下げていく。この問いかけを“5回はくりかえせ”と、よく指導しているため、別名「なぜなぜ5回」とも呼ばれる。元々、トヨタが発祥の地であり、トヨタ生産方式の普及とともに、他の業界や分野でも使われるようになった。 図は、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏の著書から一例をとって、図示したものだ。工場内のある生産機械が故障してとまったとき、「なぜ機械は止まったか?」の問いに、「オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ」と答えただけでは、じゃあヒューズを交換して再起動すればいい、という答えしか出てこない。 しかし、なぜオーバーロードがかかったのか?→ (2)軸受部の潤滑が十分でないからだ、とほりさげ、 さらに (3)潤滑ポンプが十分組

    なぜなぜ分析は、危険だ | タイム・コンサルタントの日誌から
    fhvbwx
    fhvbwx 2014/05/06
    "「人間はミスをおかす存在である」「品質は個人レベルの努力ではなくシステムで担保する」という前提がない組織で、ナイフを振り回したって、弱い個人が傷つく"
  • 書評:最低限必要なマクロ経済学 野口光宣 | タイム・コンサルタントの日誌から

    最低限必要なマクロ経済学  要点だけで完全理解 野口光宣・著 (Amazon) 工学部出身のわたしが、会社に入って最初にやった仕事は、なぜか経済性分析だった。某電力会社の依頼で、液化天然ガス(LNG)と燃料メタノールの比較に関するフィージビリティ・スタディを、新入社員として手伝ったのだ。プラントの基計画と費用見積は先輩たちが行い、わたしの仕事はタンク容量の計算と、経済性計算だった。比較ケース数が200以上もあって、そこつなわたしは難儀したが、とにかくこのとき財務諸表の意味と、DCF (Discounted Cash Flow)法の基を、文字通り身体で覚えたのは、後々まで役に立った。 しかしその後も、経済学それ自体に対しては、縁が遠いままだった。むしろ経済学という学問には、何となく不信感みたいなものを抱いていたと言っていい。プラザ合意後の円高不況、そしてバブル経済の有頂天と、その後の長い

    書評:最低限必要なマクロ経済学 野口光宣 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 書評: 「採用基準」 伊賀泰代 | タイム・コンサルタントの日誌から

    採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの 「マッキンゼーの採用マネジャーを12年務めた著者が初めて語る - 地頭より論理的思考力より大切なもの」が表紙の惹句である。これだけで、出版社がどのような読者層に何をアピールしようとしているか、よく分かる。『マッキンゼー』という、外資系コンサルの中でも最高級のブランドにあこがれ、その採用の基準を知ってみたいと感じる読者がターゲットであろう。 ところで、実際に読んでみると、採用基準に関する話題はこののボリュームの4割程度で、あとの6割は『リーダーシップ』に関する説明である。著者も、もっぱらこちらを訴えたかったにちがいない。日ではリーダーシップの概念がうまく理解されていない、と繰り返し著者は書く。しかしマッキンゼーが採用にあたって最も重視するのは、地頭の良さでも論理的思考力でもなく、「将来、グローバルリーダーとして活躍できるポテンシャルである」(

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  • BtoB企業とサプライチェーンの強者 ~これから就活をする大学3年生へ | タイム・コンサルタントの日誌から

    先月、ある国立大学のお招きで、工学部の3年生・約100人を相手に、1コマ講義をする機会をいただいた。テーマは「サプライチェーンとスケジューリングの基礎」である。学生たちの感想を読むと、比較的多くの人の興味をひいたようなので、ここにその最初の部分だけを紙上収録させていただく。内容の一部は以前、日経産業新聞や「“JIT生産”を卒業するための」に書いたこととも重なるが、新しい話題も含んでいるのでご容赦いただきたい。 ------------------------- ご紹介にあずかりました日揮株式会社の佐藤知一です。今日はこれから皆さんと一緒に、「サプライチェーンとスケジューリングの基礎」というテーマで1時間半ほど勉強したいと思います。が、題に入る前に一つお伺いします。皆さんの中で、『日揮』という会社名を聞いたことがある人、いますか? (1-2名だけ手を挙げる) はい。ほとんどの方はご存じな

    BtoB企業とサプライチェーンの強者 ~これから就活をする大学3年生へ | タイム・コンサルタントの日誌から
    fhvbwx
    fhvbwx 2013/01/27
    この先も読みたい/工学部の3年生で100人中1,2人しか日揮を知らないのか。アルジェリア人質事件の世間の反応が理解できる。/日東電工はTVCMやってます。http://www.nitto.co.jp/dpage/479.html本筋には関係ないですが
  • 失敗の無限ループから抜け出すマジックナンバー「5」 | タイム・コンサルタントの日誌から

    物事はなかなか自分の願うとおりには行かない--これは、たいていの人に共通の感覚だろう。「よかれ」と思ってやったことであれ、自信に満ちた賭けであれ、結果に裏切られるのはしばしばだ。気張って受けた試験は落ち、やっと得た職場は退屈で、意中の人には見事にふられ、生まれた子どもの性別は期待に反し、買った株や宝くじでも儲けたためしがない。これが普通の人生で、全ての賭に勝ち続けている人にはまだ、お目にかかったことがない。それでもわたし達は「次には良いことがあるかもしれない」という希望をかかえて、おぼつかない道を歩いていくのだ。 もっとも、負けず嫌いの人や夢を強く抱く人の中には、同じ失敗の無限ループにはまりこんでしまう場合がある。そこで『ストップ・ロス・オーダー』という撤退のための知恵が必要になるのだが、にもかかわらず、経済学でいう埋没コストの原理を持ち込むと、かえってループから抜け出すことができなくなっ

    失敗の無限ループから抜け出すマジックナンバー「5」 | タイム・コンサルタントの日誌から
    fhvbwx
    fhvbwx 2011/09/16
    c.f.http://www2.odn.ne.jp/scheduling/JIMA200505OHP/JIMAOHP1.HTM /マジックナンバーが5なのは主観確率が半々の時/ゼロナインシステムならばものすごい数の思考が許されることに
  • 書評 「天才数学者はこう賭ける」 ウィリアム・パウンドストーン | タイム・コンサルタントの日誌から

    天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話 日語の副題は「誰も語らなかった株とギャンブルの話」だが、原題は"Fortune's Formula: The untold Story of the Scientific Betting System that Beat the Casino and Wall Street"、すなわち「幸運の方程式 - 誰も語らなかった、カジノとウォール街に勝つ科学的賭け方の話」である。原題にいう幸運の方程式とは、『Kellyの基準』といわれる式で、賭の確率的エッジ(分)を知っている者が、手元資金に対してどうかけるのが最適かを示した理論である。この理論を提案したケリーは通信科学者で、この式は「資産の増加速度の最大値=エッジ情報の通信速度」という形で表記した。 書は、わずか40歳で夭折したベル研の俊英ジョン・L・ケリーの発見が中心にはなっている

    書評 「天才数学者はこう賭ける」 ウィリアム・パウンドストーン | タイム・コンサルタントの日誌から
    fhvbwx
    fhvbwx 2010/05/03
    コンスタントに良記事を書かれる佐藤さんの記事にしては微妙。ケリー基準は効率的市場仮説を仮定すると意味がないし、実際的にはリスクを元に修正した方が使いやすい。
  • モノサシを疑え | タイム・コンサルタントの日誌から

    企業の最終的ゴールはお金をたくさん儲けることだ。入社式で新入社員に美辞麗句をならべて何を訓示したにせよ、経営者はみな内心そう思っている。“そのために諸君の若い力が必要なのだ、頑張って欲しい”、と。 頑張ることの意義を、疑う人は少ない。この国では、自分の属する組織や場のために頑張ることは美しいと思われている。そうでなければ、なぜあんなに高校野球が好きなのか。若者は素晴らしい、なぜならつねに一生懸命だから、というわけだ。 では、会社で頑張るとはどういうことか。お金儲けという目標のために、組織が全力を尽くすこと。それはすなわち、各人がおのおのの持ち場で最大限の努力をはらうことだ。そのために、各部門で目標となるモノサシが与えられている。利益とはすなわち売上マイナス原価である。したがって、営業は売上の増大をはかり、工場は製造原価を低減しろ、と求められる。物流部門は物流コストを低減しろ。調達部門は安価

    モノサシを疑え | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 工場計画論(3) 製品をどこに置くか | タイム・コンサルタントの日誌から

    製造業とは、『ものづくり』をビジネスとする企業である。たいていの人は、そう信じている。そして、“ものづくりこそ日の産業の真髄だ”、“製造業よ甦れ”みたいなスローガンがこの10年来、叫ばれてきた。日経済が再び成長力を取り戻すには、やはりものづくりの生産性を上げることが重要だ、そんな主張を経済通から聞くことも多い。 でも、はたして当なのだろうか。知人の経営コンサルタントから来た年初の挨拶メールの中に、「商社化しつつある日の製造業を・・」という興味深い表現があった。たしかに、この10年間で、日の製造業の姿は(その看板や見かけとは違い)ずいぶん変化してしまったと感じることがある。 その変化は、製品在庫をどこに置くか、という問題に端的に表れている。一般消費財を例に取ろうか。たとえば、あなたが衣料品を通販で注文するとする。その製品は、どこから送られてくると思われるだろうか? 多くの場合、静岡

    工場計画論(3) 製品をどこに置くか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 工場計画論(2) グローバル展開のゆくえ | タイム・コンサルタントの日誌から

    電車にゆられながら吊り広告を見ていると、宣伝というのはつくづく一般消費者の欲望を刺激することで成り立っているものだな、と感じる。あれは素敵だ、これは面白そう、こんな心配はありませんか? こんな夢はどうでしょう--そういう風に、広告はできている。だから、その気になって広告をよく観察すると、“普通の人々”が何に対して欲望を感じているのかが、逆に分かってくる。 欧米などに比べると、日の電車は際だって広告の量が多い。最近は電車の外側まで広告で塗りたくっている。まさに『欲望という名前の電車』が街中を走っているわけだ。その車内広告の中でも、くりかえしくりかえし登場するのが、英会話教室のPRだろう。それだけ、「英会話ができるようになったらカッコいい」と望んでいる人が多いわけだ。まあ、パリの郊外電車の中でも英会話教室の広告を見かけたことがあるから、あそこの国の人だって内心は“英語がしゃべれたらカッコいい

    工場計画論(2) グローバル展開のゆくえ | タイム・コンサルタントの日誌から