ロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まって2年。 やはりロシアは粘り強い。その軍は野蛮ですが決して馬鹿ではなくむしろ自分の限られた手札でいかに戦うかについては昔からきわめて優秀です。経済も今のところ充分に保っています。そもそも経済が最優先の国ではない。 とはいえクレムリンがこの戦争に勝つことはないでしょう。もしウクライナの西部を割譲して停戦となっても、それは勝利を意味しない。クレムリンがなぜ開戦へ踏み切ったのか、詳細な分析ができるのは当分先のことになるでしょうが、少なくとも影響圏の維持、帝国の維持が目的だったはずです。 しかしゼレンスキーの排除と傀儡政権の樹立には失敗し、最低でも一世代は続く憎悪を両国民の間に生み出してしまいました。これではルースキー・ミールもなにもあったものではありません。ロシアの西部国境を多少西へ動かしたところで、それはクレムリンの考える帝国の維持とやらに充分でしょう