自分が本を書く側に回ったからか、あるいは研究費で本を買えるようになったからか、はたまた帰国してから簡単に本屋に行けるようになったからか、この1-2年ほどは読書熱、特に小説以外のノンフィクション、人文書の読書熱が圧倒的に上がっている。今年からはそれが高じて、同年代の色んな分野の研究者と編集者を誘って2ヶ月に1回ほど、人文書の読書会(とその後の飲み会、あるいはこっちがメイン)を開催している。これがまた楽しい。 とはいっても依然として小説もわりと読んではいるので、今年読んで面白かった本をノンフィクションと小説に分けて紹介したい。なお、自分の専門分野の本は除外している。 ノンフィクション編 前田隆弘『死なれちゃったあとで』中央公論新社、2024年 今年読んだ本で一番心に残ったのは、これかもしれない。タイトルの通り、筆者の周りで亡くなった人について、その前後の話とか回想を書いたエッセイ本なのだが、人
