■盧前大統領、南北会談で「NLL放棄」疑惑 【ソウル=黒田勝弘】韓国大統領選は12月19日の投票まで2カ月を切った。テレビ討論など候補者直接対決の場面はまだなく盛り上がりを欠いている。本格的な政策討論もこれからだが、そんな中で盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が金正日(キム・ジョンイル)総書記との南北首脳会談の際、海の境界線・北方限界線(NLL)問題でひそかに北朝鮮に譲歩していたとする疑惑が持ち上がり、大きな争点になっている。 ◆文氏に打撃 この疑惑は朴槿恵(パク・クネ)・セヌリ党候補の陣営が提起している。盧前大統領の秘書室長だった野党・民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補にとっては大きな打撃になり、NLL問題は各候補の対北姿勢を問う機会にもなっている。 疑惑は、2007年10月の盧武鉉・金正日会談は「西海平和協力地帯」や「共同漁労区域」の設置で合意したが、その裏には盧前大統領が北