これまでの出版界では、本の売り方を真剣に考える習慣がなかった。どうにもならないと考えられてきたからだ。米国の5年間で出版社が学んだことは、本は映像やゲームなどと伍してやれる強いメディアであること、その強さは人と本との出会い(体験)によってのみ生まれること、そして読者に目を向けることで本に最適化したマーケティングが可能になることだった。 ガジェットではなく、本好きが市場を動かす 米国のE-Book市場が5年間で30億ドル(約3,000億円))を超えるまでになりながら、それが印刷本市場に影響を与えることなく、追加分として出版社にプレゼントされたという事実は、その反対のことを言い続けてきた業界とメディア関係者の気恥ずかしさのせいか、表立って分析対象となっていない、おかげで日本ではまだ事実としてさえ受け入れられていない。30億ドルもの市場は、どこから、どうやって生まれたのか、暫定的な回答を得た米英
(訳注:2008年に急逝したアメリカの作家David Foster Wallaceが2005年にKenyon大学でした卒業スピーチです。個人的には同年のStanfordでのSteve Jobsの卒業スピーチより、遥かに奥深く、かつタメになると思うのですが、あまり知られていないようですし、訳されていないので、自分でやることにしました。以下が拙訳です。) もし発汗1したい人がいるなら、どうぞお好きなようにしてくださいな。多分ぼくもします。てかする...こんにちはーおめでとーKenyon大学2005年度の卒業生のみなさん。2匹の若いサカナが泳いでおり、逆方向に泳ぐ年上のサカナに会いました。すれ違い様、年上のサカナはこう言いました。「おはよう少年たち。今日の水はどうかね。」2匹のサカナは特に気にもとめず、しばらく泳いでから、顔を見合わせて言いました。「てか水って何?」 今の話は、米国の卒業スピーチ
突然ですが質問です。あなたは本が読めますか?(YES/NO) もし本が読めるのならば、あなたの生活はきっと希望に満ち溢れていることでしょう。あらゆる情報が視覚野から入ってきて、漢字が独立したイメージを持ち、自動的に情報が分類され、ニューロンの発火は言語野に到達し、豊かな表現として理解される。繰り返される記号着地の連続に心は踊り、流入する言葉はあなたの精神を揺り動かすことでしょう――もし、あなたが本を読めるとすれば。 私は本が読めません。 子供の頃は速読が出来て、単行本一冊を三十分で読めました。実際、毎日、たくさんの本を乱読しました。趣味が読書であるという事に誇らしさを感じていました。しかし齢三十を前にして精神を病み、私の理解力は失われ、速読はできなくなりました。 いえ、もっと正確に言いましょう。私は一切の本を読めなくなりました。そして愚かな私は、そのことをなかなか認めることができませんでし
「 引きこもり の親の会に行ったのですが、何故か補助金の話と政治の話、 障害者支援のような話ばかり出て来るんですよ。行くところ間違えたのでしょうか?」 数年前の相談事例 注:2013年2月上旬より、当コラム他複数のコラムについて幅広くご意見を賜りました。ご意見に対する回答を末尾に掲載致しましたので、ご希望の方はそちらもご覧下さい。但し、現実的視点に立脚したご意見が多いことから、長期高齢当事者の方や、その関係者の方、感情的な方の閲覧はお薦めしません。 30歳以上の長期高齢引きこもりに関する相談から(2023年11月更新) Q1:息子は30過ぎの引きこもりですが、やれば出来ると思います。 A1:やれば出来る子は、30過ぎて引きこもったりしません。 Q2:昔は勉強も良く出来て、良い子だったのです。昔に戻りませんか? A2:戻りません。諦めて下さい。あなたにとっては可愛い息子でも、世間的には薄汚い
サラリーマンは 「勤め人など割に合わない!」 と嘆き。 商売人は 「サラリーマンが一番得だ。」 と窘める。 底辺は、この会話を飽きる程に見てきたし、 底辺自身も両方の立場で、この会話に参加した事がある。 貴方もよく見る光景ではないだろうか? これは、 「人間は他人の環境が羨ましく見える。」 と云う事を意味するのだろうか? 違う 商売人の視点から見れば、サラリーマン(広義の被雇用者・バイト派遣含む)には、 大きな旨味がある。 商売人は被雇用者自身が無自覚のメリットを自然に見出し、純粋に評価しているので、 「サラリーマンが一番だ。」 等と言うのである。 別に皮肉でも追従でもない。 事業を営んでいる者の視点から見れば、大きな旨味が被雇用者にはある。 逆に、被雇用者は勤務先への評価を 賃金÷拘束時間 の指標でしか評価出来ない人が多い。 故に、今居る場所こそが宝の山である事に気づかずに不平不満を漏ら
「サバイバルとは,こういうことだ!」と叫びたくなるようなMODが今,世界的に大人気 DayZ Text by BRZRK ミリタリーFPS「ARMA2」の大人気MOD,「DayZ」をご存知だろうか? DayZは,ARMA2のデベロッパであるBohemia Interactive StudiosのDean Hall氏が,仕事とは無関係に制作したMODで,リリース直後から口コミで評判が広まり,DayZをプレイしたい人々によって,「Steam」のセールスリストで7週間にわたってARMA2がトップになるという珍現象を引き起こした。ARMA2が発売されたのは2009年なので,発売後3年が経過してから爆発的なヒットになったというわけだ。 このMODは現在も着実にプレイヤー数を伸ばしており,ユニークプレイヤーは実に100万人以上にも達する。……と書けば,知らない人でも気になるはずだ。 ここでは,なぜこの
ゲームで10年長生きしましょう (TED Talks) Jane McGonigal / 青木靖 訳 2012年6月 私はゲーマーなので、ゴールを設定するのが好きです。特別な使命とか、秘密の目的みたいな。それで今日の講演にも使命を用意しました。この場にいる人みんなの寿命を7分半伸ばします。文字通り、皆さんはこの講演を聴けば、7分半長生きするんです。なんか疑っている人もいるみたいですね。いいですよ。それが可能だと証明する数式がちゃんとあるんです。今はまだ分からないでしょうけど、後で説明しますので、最後の数字にだけ注目してください。この7.68245837分というのが、使命達成の暁に、私が皆さんにプレゼントするものです。皆さんにも秘密の使命があります。それは、このおまけの7分半の使い道を見つけるということです。何かいつもとは違うことに使うべきだと思います。これはボーナスで、元々なかったものなん
ネットに揺蕩う情報など、全てがあやふやな噂話の集積であり、その場その場では話の種になりつつも、夜店で売られるサイリウムの腕輪のごとく、一夜明ければ途端に色褪せ、皆が忘れ去る程度のものに過ぎない。 その時々で適当な嘘やユーモアやジョークを吐き、衆目を集めるのはなかなかに楽しい。だが、そうやって、はしゃいでいるとやがて自意識の皮を被った狼が襲来し、まともだった少年の精神をペロリとたいらげてしまう。 かくして熱狂と虚名と空転する自意識が交錯する、現代のインターネットでは、今日もどこかで大学生が未成年飲酒を告白しては炎上し、あるいは企業のステルスマーケティングでたわいもない動画が何十万と再生され、話題に釣られ集まった大衆は一通りはしゃぎ、骨までしゃぶりつくした後には、また次の催しを求め去っていく。そのような地獄のステージで延々と踊り続けるためには、よほどの自己陶酔か自己顕示欲を必要とするのだが、そ
丸善が出している『學鐙』という雑誌に教育論を寄稿した。 一般の方にはあまり手に取るチャンスのない媒体なので、ここに採録しておく。 不便さと教育 というタイトルを頂いて原稿を書くことになった。たぶん「教育と効率」の背馳について論じて欲しいというのが編集部の趣旨であろうと思うので、それについて書くことにする(違ったらごめんなさい)。 教育と効率は本質的になじまない。というのは、効率というのは、「単位時間内の仕事量」を以て考量するものであるが、教育がそのアウトカムを計測するときの時間の幅は原理的に「その人が死ぬまで」というもので、「単位時間」を切り出すことができないからである。 もちろん、無理をすれば単位時間を切り出して(「1時間以内の」とか「一学期以内の」とか「卒業時までの」とか)教育のアウトカムを考量することもできないことではない。 けれども、そこではじき出された数値は、教育を受ける本人にと
ea_spouse / 青木靖 訳 2004年11月10日 私の大事な人はElectronic Artsで働いている。そして私は、あなたが不満な配偶者と呼ぶだろう人間だ。 EAの明るく輝く新しい会社のトレードマークは「すべてに挑戦する」だ。これがどこに適用されるのかは、あまりはっきりしていない。NFLのライセンスを受けたフットボールゲームを次から次へと量産するのが何か挑戦的なことだとは私には思えない。まるで金の農場だ。EAの経営陣でたまたまこれを読んでいる人がいたら、あなたのためにいい挑戦を教えてあげる。あなたが自分の手にする何百万ドルのために背中を踏みつけにしている人たちに、安全でまっとうな労働条件を作るっていうのはどう? 私が名を明かしたとしたら私の家族に起るだろう結果について、私は何の幻想も抱いていない。だからここでは匿名でいさせてもらうことにする。だけど、私は自分たちの話を公にする
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日本人はなぜか、もともとあまり腹を立てない民族です。我慢することには長けているけれど、感情を爆発させるのはそれほど得意ではない。そういうところはあるいは、バルセロナ市民とは少し違っているかもしれません。でも今回は、さすがの日本国民も真剣に腹を立てることでしょう。 しかしそれと同時に我々は、そのような歪んだ構造の存在をこれまで許してきた、あるいは黙認してきた我々自身をも、糾弾しなくてはならないでしょう。今回の事態は、我々の倫理や規範に深くかかわる問題であるからです。 ご存じのように、我々日本人は歴史上唯一、核爆弾を投下された経験を持つ国民です。1945年8月、広島と長崎という二つの都市に、米軍の爆撃機によって原子爆弾が投下され、合わせて20万を超す人命が失われました。死者のほとんどが非武装の一般市民でした。しかしここでは、その是非を問うことはしません。 僕がここで言いたいのは、爆撃直後の20
カタルーニャ国際賞の授賞式で、スピーチする作家の村上春樹さん=スペインのバルセロナで2011年6月9日、ロイター 9日のスペインのカタルーニャ国際賞授賞式で配布された作家村上春樹さんの受賞スピーチの原稿全文は次の通り。(原文のまま) 「非現実的な夢想家として」 僕がこの前バルセロナを訪れたのは二年前の春のことです。サイン会を開いたとき、驚くほどたくさんの読者が集まってくれました。長い列ができて、一時間半かけてもサインしきれないくらいでした。どうしてそんなに時間がかかったかというと、たくさんの女性の読者たちが僕にキスを求めたからです。それで手間取ってしまった。 僕はこれまで世界のいろんな都市でサイン会を開きましたが、女性読者にキスを求められたのは、世界でこのバルセロナだけです。それひとつをとっても、バルセロナがどれほど素晴らしい都市であるかがわかります。この長い歴史と高い文化を持つ美しい街に
大反響となったネットの投稿「余命51時間だけど質問あるかな?」 人は死が近くなると、本当の自分が出るのかもしれません。 毎日どこかで誰かが亡くなり、誰かがお別れを伝えたりしています。 ガンに侵され火曜日には安楽死を迎えるという人が、「残り51時間」というタイトルで投稿したものが、ネット上の反響を呼んでいます。 オレゴン州の尊厳死法のおかげで、ようやく火曜日にガンとの闘いが終わります。準備のひとつとして鎮痛剤を切り、残っている限りの自尊心を取り戻そうと思っています。 自分が誰だったかというのは関係ありません。痛みが常にあり、疲弊しきった末に、ようやく一片の尊厳を許されました。質問したい人は何でも聞いてください。 海外掲示板に投稿されたこの内容に、数え切れないほどの質問や激励がされていました。 コメントの一部を抜粋してご紹介します。 ・わあ……、平安があなたに訪れますように。あなたの考えがこの
先週金曜深夜、ラジオを終えて自転車で帰った。 家まであと2〜3分というところ、時間は2時過ぎ。 世田谷の住宅街はひっそりと静まりかえっている。 はずだったのだが・・・その時間、その場所にそぐわない風景が目に入ってきた。 「うぎゃあぁぁぁ〜うえぇぇぇん〜だぁぁぁ〜!!」 一歳半くらいの男の子が道端で街灯に照らされながら泣き叫んでいる。 ん!?なにこれ?オレも人に親なので深夜に夜泣きが止まない子供を 外に連れ出してしばらくおんぶか抱っこをしながら落ち着かせる、的な 子育てあるあるがあるということは知っている。 が、その男の子はどう見ても一人きりだ。 しかも足元を見ると裸足。 せっかん?に、してもこんな真夜中に外に放り出すのはどう考えても危ない。 しかもその道は赤堤通りから甲州街道への抜け道で住宅街とはいえ タクシーなど深夜でも車の行き来が激しい。 しばらく傍観していたが親らしき人も現れない。
少女:ねえ。 少年:授業中だろ。 少女:聞いてなんか無いくせに。 少年:それとは別の話。 少女:竪穴式住居って、江戸時代まであったの? 少年:聞いたことあるけど……建築家の間のフォークロアだと思ってた。 少女:フォークロアって何? 少年:フォーク(民間)+ロア(伝承)。 少女:……つまり信じてないのね。 少年:調べないと分からない。 少女:信じなかったから調べてないんでしょ。 少年:そうだよ。 少女:だったら、決まりね。 少年:決まりって何が? 少女:調べるのよ。放課後、付き合いなさい。 少年:教師に聞けよ。今、ちょうど歴史の時間なのに。 少女:自重しなさい。授業中、先生を泣かすのは1年に1回まで。 少年:うーん。……放課後まで待つことないよ。昼休み、図書室へ行こう。 少女:学校の図書室なんて、って言ってなかった? 少年:言った。でも、百科事典くらいならある。 少女:百科事典で解決するの?
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